2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenesis of NRF2-addicted cancers
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18H02621
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本橋 ほづみ 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (00282351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20231798)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NRF2 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
転写因子NRF2は、酸化ストレス・親電子ストレス応答の鍵因子として生体防御において重要な役割を果たしている。一方、がん細胞では、アグレッシブな増殖を促進し治療抵抗性を増強する。NRF2が異常蓄積したがん細胞は、その生存・増殖や治療抵抗性をNRF2に大きく依存して、悪性度の高いがんを形成する。しかし、NRF2の活性化のみでは細胞のがん化には至らず、NRF2依存性がんの成立機構は不明である。また、NRF2阻害剤はNRF2依存性がんの有効な治療戦略になると期待されるが、生体防御におけるNRF2の重要な役割を考えれば、そこには種々のリスクが伴うと予想される。そこで、本研究では、NRF2依存性がんの成立機構の解明と、NRF2の下流でがんの悪性化をもたらす新たな治療標的の同定を目的とする。NRF2依存性がんの成立機構解明のためには、独自の新しいマウスモデルを作成し、環境化学物質との関係に着目して解析をすすめる。NRF2依存性がんの新たな治療標的としては、ミトコンドリアにおけるイオウ代謝制御因子を有力な候補として解析する。その目的で、親電子性ストレスに対する慢性的・反復性の曝露をモニタリングするマウスを作成するとともに、NRF2活性化がんにおけるイオウ代謝特性の解析を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
NRF2活性化をきっかけとして遺伝子改変を誘導するマウスとしてNeh2-Creマウスの作成に成功し、当該マウスを用いてNeh2-Cre:LSL-tdTomato:Keap1F/Fマウスの作成にすすむことができている。また、イオウ代謝とNRF2の関係についても、NRF2活性化がんの代謝特性としてイオウの酸化を利用して、格好の治療標的が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
Neh2-Cre:LSL-tdTomato:Keap1F/Fマウスが得られ次第、Neh2-Cre:LSL-tdTomatoマウスをコントロールとして、4NQOによる食道がんの誘発実験を実施する。NRF2活性化がんのイオウ代謝特性を利用した治療標的の有効性を、遺伝子ノックダウン実験により検証をすすめ、その治療標的のタンパク質構造解析と阻害剤のスクリーニングの準備を開始する。
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Research Products
(60 results)