2018 Fiscal Year Annual Research Report
ロイコトリエンB4産生酵素と受容体の疾患モデルにおける役割
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18H02627
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
横溝 岳彦 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60302840)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生理活性 / 生体分子 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)細胞特異的なBLT1欠損マウスの樹立と解析:樹立済みのBLT1flox/floxマウスをCD11c-Creマウスと交配し、樹状細胞特異的BLT1欠損マウスを樹立した。 2)BLT1発現が規定する抗原提示細胞サブセット解析:BLT1発現で規定される樹状細胞とマクロファージサブセットの遺伝子発現・生理活性脂質産生の違いを解析した。また、サブセット間でロイコトリエンB4をはじめとした生理活性脂質の産生プロファイルや、ケモカインの発現、ケモカインに対する細胞走化性に大きな違いがあることを見いだし、論文を投稿した(現在revise中)。 3)BLT2の上皮細胞保護作用の解明: BLT2受容体による肺保護作用についてより詳細な検討を行った。BLT2を発現させた培養細胞では、ニューモライシンによる細胞膜穿孔が抑制されていることが電子顕微鏡観察によって明らかとなり、これが毒素による致死回避機構として機能している可能性が示唆された。 4)生理活性脂質産生酵素欠損マウスの樹立と解析: LTB4産生酵素(LTA4水解酵素)を欠損したマウスを作製したところ、「痩せ」の表現型をみいだした。本酵素の産生産物であるLTB4受容体BLT1の欠損マウスでは、この「痩せ」の表現型が観察されなかったことから、LTA4水解酵素が有するアミノペプチダーゼ活性の消失が、「痩せ」の表現型につながっていることが示唆された。そのため、アミノペプチダーゼ活性だけが消失した変異LTA4水解酵素ノックインマウスの作出を行った。現在、これらのマウスを用いて、高脂肪食下におけるエネルギー代謝の差を見いだすべく実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の平成28年度に記載した通りに研究が遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の平成30年度に記載した通りに研究を遂行する。さらにLTA4水解酵素遺伝子欠損マウスの「痩せ」の表現型の原因の解析を行う。特に高脂肪食下で表現型が顕著であることに注目し、ミトコンドリア機能、酸素消費量などに注目して研究を行う。
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Research Products
(43 results)