2018 Fiscal Year Annual Research Report
Global DNA/proteome analyses of orphan pancreatobiliary diseases using next-generation technologies
Project/Area Number |
18H02630
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
全 陽 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90377416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 正人 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50531753)
藤倉 航平 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50773751)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソーム解析 / 胆管内乳頭状腫瘍 / 胆嚢内乳頭状腫瘍 / APC / CTNNB1 / STK11 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は2つの胆道乳頭状腫瘍の網羅的遺伝子解析を中心に研究を行った。胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)と胆嚢内乳頭状腫瘍(ICPN)は膵臓に発生する膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の胆管カウンターパートとして位置づけられており、罹患導管の拡張や粘液の過剰産生など共通の特徴を有する。これまで網羅的な遺伝子解析は行われたことがなく、遺伝子学的特徴は不明であった。IPNBの網羅的エクソン解析では、CTNNB1、APCに複数の変異が確認され、43%の症例でどちらか一方の遺伝子に変異を有していた。これらの遺伝子はWnt pathwayに属しており、高率にbeta-cateninの核内移行が示されたことから、Wnt pathwayが活性化していることが明らかとなった。ICPNのエクソーム解析では、CTNNB1、APCに加えてSTK11に変異があり、71%でこれら3つの遺伝子のいずれかに変異が見られた。他の頻度の高い胆道系腫瘍である大型胆管癌(管状腺癌、乳頭状腺癌)、胆嚢癌(管状腺癌、乳頭状腺癌)にはこれらの遺伝子変異はほとんど確認されず、IPNBとICPNに特徴的な分子異常であると考えられた。特に、臨床像が類似している乳頭状胆道癌にもこれらの遺伝子異常は見られず、IPNB/ICPNと乳頭状胆道癌は遺伝子学的に異なる腫瘍群に属すると考えられた。また、興味深いことにこれらの遺伝子異常は腸管腫瘍で高率にみられるものであり、特にAPCは家族性大腸腺腫症、STK11はポイツ・ジェガース症候群の原因遺伝子ある。つまり、IPNBやICPNは大腸腫瘍やポリポーシスに関連した遺伝子異常が腫瘍発生に関与していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次年度に行う非腫瘍性疾患のリンパ球レパトア解析の条件設定に時間を要したが、予備実験が終了したため次年度から解析を始める。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、胆膵領域に発生する希少疾患を対象とし、2つの次世代技術(網羅的シークエンスとリン酸化プロテオーム解析)を用いた解析を行う。次年度以降も研究計画に沿って、他の腫瘍性疾患の網羅的遺伝子解析を本年度と同様の手法を用いて行う。また、非腫瘍性疾患に対しては、条件設定が終了したリンパ球のレパトア解析の手法を用いた解析を開始する。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] CT imaging comparison between intraductal papillary neoplasms of the bile duct and papillary cholangiocarcinomas2019
Author(s)
Komori T, Inoue D, Zen Y, Yoneda N, Kitao A, Kozaka K, Yokka A, Toshima F, Matsubara T, Kobayashi S, Gabata T
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Journal Title
Eur Radiol
Volume: 29
Pages: 783-791
Peer Reviewed
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