2019 Fiscal Year Annual Research Report
Global DNA/proteome analyses of orphan pancreatobiliary diseases using next-generation technologies
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18H02630
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
全 陽 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90377416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 正人 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50531753)
藤倉 航平 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50773751)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Exome解析 / 胆管内乳頭状腫瘍 / 胆管内管状腫瘍 / 粘液性嚢胞腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は胆膵領域に発生する腫瘍性,非腫瘍性疾患に対する網羅的遺伝子解析を行った.胆管内管状乳頭状腫瘍(ITPN)は稀な腫瘍で,その特徴は十分には解析されておらず,特に遺伝子異常に関してはほとんど理解されていなかった.胆管ITPN症例で網羅的エクソーム解析を行うと,変異遺伝子とMUC5AC発現に関連があることが明らかとなった.MUC5AC陰性例では, CTNNB1, SF3B1, BAP1,BRCA1に変異が見られた.KRAS変異はMUC5AC陽性例の75%で確認されたが,MUC5AC陰性例には見られなかった.さらにMUC5AC陽性例ではクロマチンリモデリングに関連した遺伝子(ARID1A, KMT2C)にも変異が見られた.他の胆道系腫瘍と比較すると,MUC5AC陰性例は胆管癌や胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)で見られる遺伝子異常と共通したものがほとんどなく,独立した腫瘍単位であると考えられた.一方,MUC5AC陽性例の遺伝子異常は胆管癌と共通しており,胆管癌の一組織亜型である可能性が示唆された.同様に胆管粘液性嚢胞腫瘍(MCN)の遺伝子異常を解析すると,癌関連遺伝子としてKRAS変異のみが認められたが,GNASを含めた他の遺伝子には有意な異常は確認されなかった.
非腫瘍性疾患である,IgG4関連硬化性胆管炎,自己免疫性膵炎(1型,2型),濾胞性胆管炎・膵炎の組織から抽出した核酸を用いてB細胞受容体IGHと、T細胞受容体β鎖のrepertoire解析を行ったところ,ややdominantなクローンは確認できるものの,いずれの症例もpolyclonalであると考えられ,特定の自己抗体が病態を誘導している確証は得られなかった.IgG4関連疾患の患者の末梢血を用いた研究ではリンパ球はoligoclonalであると報告されており,組織中に浸潤するリンパ球では異なる結果であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究施設のロックダウン等の影響で当初の予定より解析に時間を要したが,研究自体は計画に沿って順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、胆膵領域に発生する希少疾患を対象とし、2つの次世代技術(網羅的シークエンスとリン酸化プロテオーム解析)を用いた解析を行う。次年度も研究計画に沿って,特にプロテオーム解析を進める.
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Research Products
(16 results)