2020 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞の増殖・遊走のdichotomy(二者選択)を制御する分子機構の解明
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18H02638
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榎本 篤 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20432255)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞遊走 / 増殖・遊走ダイコトミー / Girdin / 放射線療法 / 細胞周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は遊走時に増殖せず、増殖時に遊走を停止することが知られており「増殖・遊走ダイコトミー」と呼ばれている。遊走能の高いがん細胞も同様であり、抗がん剤や放射線治療に対する抵抗性の原因とされている。アクチン結合分子Girdin(遺伝子名CCDC88A)はがん細胞の集団的な遊走を促進する分子だが、一方で、そのリン酸化状態が増殖・遊走ダイコトミーを制御することも報告されている。本研究ではGirdinが放射線によるDNA障害に対する高感受性にも関わっていることを見出した。このことはGirdinががん細胞の遊走能を促進する機能を有しながら、同時に放射線治療感受性も高めるという複雑な機能を有していることを意味している。本年度は下記に示す実験結果を得た。 (1)Girdinと細胞周期異常の関連 昨年度までにGirdin高発現HeLa細胞に対して紫外線(UVC)を照射すると、コントロール細胞に比較して有意に細胞死をきたすことを見出している。Girdinの高発現は細胞周期のG1期およびM期の延長を誘導し、この現象はp53の活性化と関連していることを見出した。残念ながら、食道癌の検体においてGirdinの発現と術前放射線療法感受性の間には有意な相関を見いだせなかった。Girdin高発現によりがん細胞の浸潤能および放射線療法感受性の両者が上昇し、結果を複雑にさせたものと推測した。 (2)GirdinとMad2の結合の生化学的解析と意義 昨年までにGirdinのC末端ドメインとMad2が結合することに加え、Girdin高発現細胞ではMad2の発現がmRNAおよびタンパクレベルで上昇していることを見出した。本年度は食道癌検体においてMad2発現と放射線療法感受性の関連を調べたが、統計学的に有意な相関はみられなかった。本年度は上記の(1)(2)の結果を合わせ論文として報告した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Oncolytic activity of naturally attenuated herpes-simplex virus HF10 against an immunocompetent model of oral carcinoma2020
Author(s)
Takano G, Esaki S, Goshima F, Enomoto A, Hatano Y, Ozaki H, Watanabe T, Sato Y, Kawakita D, Murakami S, Murata T, Nishiyama Y, Iwasaki S, Kimura H.
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Journal Title
Mol Ther Oncolytics
Volume: 20
Pages: 220-227
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Complex roles of the actin-binding protein Girdin/GIV in DNA damage-induced apoptosis of cancer cells2020
Author(s)
Chen C, Enomoto A, Weng L, Taki T, Shiraki Y, Mii S, Ichihara R, Kanda M, Koike M, Kodera Y, Takahashi M.
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 111
Pages: 4303-4317
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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