2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of molecular mechanism of trogocytosis in Entamoeba histolytica
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18H02650
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野崎 智義 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60198588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Jeelani Ghulam 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60468519)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 貪食 / 病原機構 / キナーゼ / フォスファターゼ / 脂質輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
貪食・咀嚼食は赤痢アメーバの病原機構において重要な役割を果たす。接着に伴い誘起されるAGCK1の上流の分子機構を解明するために、AGCK1の動員を決定する上流のシグナル実行分子(受容体)とヒト側のリガンドを生化学的方法により同定することを目標1として研究を展開した。赤血球を老化・酸化ストレス暴露・ノイラミニダーゼまたはトリプシン処理することにより、貪食・咀嚼食を制御する条件を確立した。赤血球表面のシアル酸が咀嚼食を誘導するリガンドであることが予測された。そこで赤痢アメーバ膜画分抽出液からシアル酸付加ビーズを用いてシアル酸結合タンパク質を分離・精製・質量分析解析した。Sec24, Vps35, Coatmer beta subunit, UDP-glucose:glycoprotein glucosyltransferaseを始めとする多くのタンパク質が同定された。目標2として細胞膜上で咀嚼食に関わるフォスファチジルイノシトールリン酸(PIP)の産生・分解調節機構の理解のため、咀嚼食においてPIP3の合成に関与するキナーゼ・フォスファターゼを同定し、その貪食・咀嚼食における役割を解明するための研究を行った。ゲノムから11種のPI-kinaseと23種のPI-phosphataseを同定した。Class I PI3K, Myotubularin, Type II PI 5-phosphataseの特徴的な遺伝子重複と多様化が特徴的に見られた。その中から、膜結合ドメインの有無、mRNA発現量、重複性などの情報から、5種の遺伝子(Class I PI3K, EHI_006130; Class III PI3K, EHI_096560; PTEN, EHI_197010; Type II PI 5-phosphatase, EHI_160860; SacI, EHI_141860)の組換えタンパク質の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標1および2に関していずれもほぼ予定通り研究が展開されている。
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Strategy for Future Research Activity |
貪食・咀嚼食の過程でAGCKを惹起する分子カスケードを同定する研究においては、シアル酸結合タンパク質として同定されたタンパク質の機能的解析を行う。組換えタンパク質を用いたタンパク質相互作用ネットワーク解析、遺伝子発現抑制赤痢アメーバ株の作成による逆遺伝学的機能解析を行う予定である。また、時間が許せば、Caco-2などの有核細胞を用いて生きた状態と熱又は化学物質で不活化後の細胞膜表面分子をビオチン化し、ストレプトアビジンでアフィニティ精製、質量分析により網羅的に同定し、本年度得られたシアル酸結合タンパク質との比較検討を行う。貪食・咀嚼食を制御するPIキナーゼ、PIPフォスファターゼの解析に関しては、初年度作成した組換えタンパク質を用いて、活性を確認すると共に、それぞれの遺伝子発現を選択的に抑制した形質転換体を作成して、貪食・咀嚼食における表現型を中心に解析する。
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Research Products
(4 results)