2019 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of lymphocyte cell division and oncogenesis
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18H02669
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
保田 朋波流 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (40334429)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | B細胞 / リンパ腫 / 細胞分裂 / 細胞老化 / 免疫応答 / 体細胞変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫細胞の分裂増殖は抗原特異的なクローンを増幅するだけでなく分化方向の決定とも連動することが知られており、免疫特性を決定する重要なファクターである。抗原に反応した免疫細胞は分裂開始後に適切なタイミングで分裂停止されなければならないが、その制御メカニズムについては明らかでない。本研究課題では癌遺伝子により活性化したB細胞において、不死化前後で発現が顕著に制御される因子として新規に見出した細胞老化制御遺伝子群や癌抑制遺伝子群の機能解析を足がかりに、リンパ球の増殖限界を制御する分子基盤と免疫特性やリンパ腫発症におけるその役割の解明を目指している。前年度までにB細胞増殖限界時期とCdkn2a遺伝子によってコードされる蛋白質のうち、Arfの発現誘導時期に相関があることを見出している。Arfを欠損するマウスを新規に作製しB細胞特異的にEBウイルス癌遺伝子を発現するリンパ腫モデルとの掛け合わせを行ったところ、まだプレリミナリーではあるが予想通り腫瘍を促進する結果を得ており、その分子メカニズムについて解析を進めているところである。Arfの新規レポーターマウスの樹立は国立長寿医療研究センターとの共同研究において作成を進めている。これまでに期待される発現パターンを示す新規Arfレポーターマウスのファウンダー取得に成功しており、現在それらの解析を行なっている。さらにEBウイルス遺伝子をドライバーとして腫瘍化の過程を解析するのに有用な新たな遺伝子改変マウスの作製に成功し、現在解析を継続している。またヒトの末梢血リンパ球を用いて増殖限界制御の分子メカニズムを解析できるよう実験系の立ち上げを行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は九州大学から広島大学へ所属の移動が生じ、マウスなどの実験などにおいて大幅な遅延が生じた。加えて、新型コロナウイルス感染拡大の影響で長期に渡り研究が停止していることよっても遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
期待される結果を得ており解析を再開したいところではあるが、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で実験ができない状況になっている。研究が通常通り、再開できるようになればすぐにデータを取得できるようマウスの交配などで準備はしておくようにする。また遺伝子解析などドライで行える解析については進めていく。広島大学に移動後においても遺伝子改変マウスの作製を継続できるよう動物発生工学施設を整備しているところであるが、並行して九州大学との連携も維持しどちらの施設でも遺伝子改変マウスの作成が行えるように体制を整えている。
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Research Products
(7 results)