2019 Fiscal Year Annual Research Report
病変部位免疫環境のリモデリングを誘導する新規Treg制御法の開発
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18H02673
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
関谷 高史 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 免疫応答修飾研究室長 (80519207)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 免疫学 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、タンパク質ライブラリーを新規手法により作製し、炎症性疾患の病変部位で制御性T細胞(Treg)の機能抑制を引き起こしている因子を同定すること や、機能抑制を受けているTregの賦活化を誘導する因子を探索することを目的としている。この新規ライブラリ(in frame directed recombinant protein library: IFDRライブラリ)は、分泌シグナルの下流にcDNAを挿入し、その下流でGFPとIgGのFc部位に連結させるものであり、機能を持つタンパク分子の割合を飛躍的に高めることに成功したものである。 前年度までの研究では、①複数分泌シグナルペプチドの検討 ②複数の細胞株の検討 ③薬剤耐性遺伝子の変更 の3点で改良を重ねることで培養上清中の組み換えタンパク質濃度を大きく高めることに成功し、IFDRライブラリを用いたスクリーニングのスケールアップに成功した。 令和元年度の研究では、前年度の研究で改良したIFDRライブラリを用い、TregのT細胞増殖抑制能を制御する分子のスクリーニングに着手した。現在までに96 well細胞培養プレート32枚、合計にして約10000分子の1次スクリーニングを行った。細胞増殖をフローサイトメトリーで直接確認する3次スクリーニングまでクリアした分子は7分子であり、それらに関しては全て、293T細胞を用いたシステムにより組み換えタンパク質の精製を行い、4次スクリーニングに供した。その結果、7分子のうち2分子が、TregによるT細胞増殖抑制を阻害する機能を示した。 現在、これら2分子のさらなる解析を進めると共に、引き続きIFDRライブラリを用いたスクリーニングを継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、Treg機能を制御する分子の機能解析が進んでいるはずであるが、現時点では分子の同定は為されたが機能解析が始まった段階である。従って、やや遅れているとの評価に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はまず、前々年度の研究でスケールアップに成功したIFDRを用い、引き続き病変部位Tregの機能抑制を引き起こす因子、および機能抑制を受けているTregの賦活化因子のスクリーニングを継続する。また、現在までのスクリーニングにより同定された因子の機能解析および、in vivo疾患モデルでの検討を、それぞれ以下に示す方策により行う。 ①スクリーニングにより同定された因子の機能解析:スクリーニングで見出された因子の機能を、過剰発現実験、ノックダウン実験、拮抗ペプチドや中和抗体を 用いた実験などにより、分子・細胞レベルで検討する。また、本ライブラリはFc融合型のプラットフォームであるため、そのままProtein Gビーズによるpulldown、質量分析に応用することができる。見出された分子の中から3種類程選択し、相互作用因子を同定する。 ②in vivo疾患モデルでの検討:マウス疾患モデルを用い、Fc融合リコンビナントタンパク、拮抗ペプチド、中和抗体の移入等により、因子の活性をin vivoで正 負に制御し、その治療効果を検討する。疾患モデルはEAE,IBDモデル、および腫瘍モデルを用い、それぞれの因子の炎症反応の抑制能または抗腫瘍免疫の賦活化能を検討する。
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Research Products
(6 results)