2018 Fiscal Year Annual Research Report
Foundation of anti-lymphangiogenesis and metastasis method via Foxc network analysis
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18H02682
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久米 努 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員教授 (60786474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 敬 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (00345141)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リンパ管新生 / Fox転写因子 / RasGAP / ゲノムワイド解析 / 遺伝子改変モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では腫瘍リンパ行性転移におけるリンパ管新生の分子機構を個体レベル・細胞レベルで解析して、Foxc 転写因子および RasGAP の腫瘍リンパ管新生におけるリンパ管内皮細胞の増殖制御ブレーキ因子としての機能を解明にする。更にFoxc および RasGAP 欠損マウスの腫瘍リンパ管形成の解析データを踏まえ、腫瘍リンパ管新生のゲノムワイド解析から転写ネットワークに関する包括的研究を遂行し、リンパ管内皮細胞に対する新しい分子標的がん治療法の開発への戦略を確立する。2019年度はリンパ管内皮特異的な Foxc1/Foxc2 欠損誘導マウスを C57BL/6J に戻し交配することに成功した。また、CRISPR/Cas9 系を用いてRasa4-flx と Rasal3-flx マウスの作製に成功している。そこで続けてRasa4-flx と Rasal3-flx マウスをリンパ管内皮特異的な Cre マウスと交配して、リンパ管特異的遺伝子欠損マウスの系統をそれぞれ樹立する計画を進めている。またRasa4とRasal3との機能的冗長性を考慮し、両者のリンパ管特異的遺伝子欠損マウスを交配してダブル欠損マウスの作製も予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C57BL/6J に戻し交配したリンパ管内皮特異的な Foxc1/Foxc2 欠損誘導マウスを用いて、高肺転移性 B16F10 メラノーマ癌細胞移植実験を行い、腫瘍リンパ行性転移におけるリンパ管新生の異常を明らかにする。この実験を始めるに当たって、タモキシフェン処理でProx1-CreERT2 による腫瘍リンパ管内皮での遺伝子欠損効率をまず確認する。並行してRasa4 と Rasal3 のリンパ管内皮特異的な遺伝子欠損誘導マウス系統を樹立し、同様にB16F10 メラノーマ癌細胞移植実験を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍内リンパ管内皮細胞を包括的にシステム解析する試みは前例がなく、網羅的な腫瘍リンパ管新生の包括的転写ネットワークの解明する必要がある。コントロールマウスと上記のリンパ管特異的遺伝子欠損マウスに B16F10 メラノーマ細胞を背中皮下に移植した腫瘍組織から単離した細胞で一細胞RNA-seq 手法を用い、包括的な発現解析を進める予定である。コントロール、Foxc1/Foxc2 欠損、Rasa4/Rasal3 欠損リンパ管内皮および他細胞の組成や、各細胞群のマーカー遺伝子解析、遺伝子発現制御ネットワークを検討する。
COVID19 の問題が深刻化しても、まず計画したマウスの掛け合わせを優先的に進め、試薬供給や研究者の健康、実験環境にトラブルが生じなければ、樹立できたリンパ管特異的遺伝子欠損マウスを用いて腫瘍リンパ行性転移におけるリンパ管新生の解析を進めることが出来ると予想している。
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Research Products
(7 results)