2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of Identification of TCR antigen and prediction of side effects for TCR gene therapy
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18H02689
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小澤 龍彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | TCR / TCR遺伝子療法 / レパートリー解析 / ペプチド/MHC |
Outline of Annual Research Achievements |
がん患者より分離したがん浸潤リンパ球由来TCRが認識する抗原を同定する基盤を確立するために、1)がん細胞特異的TCRの取得、2)TCRの抗原同定、3)同定したペプチドからの抗原タンパク質予測、4)試験TCRの反応性の検証、の4工程を計画した。2018年度は、これら4工程うち、1と2を重点的に行った。 がん細胞特異的TCRの取得のために、21症例の大腸がん患者、10症例の乳がん患者より分離した腫瘍浸潤リンパ球(TIL)由来CD8+/PD-1+細胞のTCRレパートリーを解析した。これら細胞は、同一TCR遺伝子を発現するT細胞が見いだされたことから、クローナルに増殖していることが示された。クローナルに増殖していたTIL由来TCRが、プライマリーのがん細胞に反応するか検討した。次に、Cancer Tissue-Originated Spheroid (CTOS)法を用いて、試験TCRに対する標的細胞の樹立を行った。先に単離したTIL由来TCRに対する標的細胞への反応性を、TCRを導入したT細胞を用いて検討した。その結果、現在までに1種類のがん患者のTIL由来TCRが、その患者由来CTOSに反応し、IFN-γの産生が認められた。 TCRの抗原同定のために、TCRの抗原であるペプチド/MHCを可溶化し、4量体化させたペプチド/MHC-テトラマーが広く用いられている。従来のペプチド/MHCは大腸菌で作製されてきた。しかしながらこの方法では、リフォールディングの行程が必要であり、その作製は容易ではなかった。我々は、ペプチド/MHCを哺乳類細胞株で産生させ、リフォールディングの行程を必要とせず、2週間程度で1mg以上のペプチド/MHCを容易に作製できる新技術の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がん細胞特異的TCRの取得のための基盤が確立できたこと、また、TCRの抗原を同定するために必要なペプチド/MHC-テトラマーの作製技術が確立できたことで、本研究遂行に向けた基盤技術を整えることができた。これらの基盤を元に、さらなるがん細胞特異的TCRの取得と、そのTCRの抗原同定を進めることが行えるようになった。そのため、おおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
がん細胞特異的TCRの取得は、現在までに1種類であるが成功した。このTCRを用いて、次の行程の抗原同定へと進めていく。またTCRレパートリー解析と、がん細胞との反応性の検証系が確立できた。この系を用いて、2019年度も引き続き、がん細胞特異的TCRの取得を続けていく。 TCRの抗原同定に有用なペプチド/MHCテトラマーの容易な作製法が確立できた。これは、がん細胞特異的TCRの同定に有用なツールとなることが期待される。
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[Presentation] Loss-of function mutations in HLA-classⅠalleles in acquire aplastic anemia: evidence for the involvement of limited classⅠalleles in the auto-antigen presentation of aplastic anemia2018
Author(s)
Mizumaki H, Hosomichi K, Mikoto T, Yoroidaka T, Imi T, Zaimoku Y, Hosokawa K, Katagiri T, Takamatsu H, Ozawa T, Azuma F, Kishi H, Tajima A, Nakano S
Organizer
60th ASH Annual Meeting and Exposition
Int'l Joint Research
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[Presentation] 子宮体癌患者における末梢血CD8T細胞のTCRレパートリー解析2018
Author(s)
津田桂, 岸裕幸, 中島彰俊, 浜名洋, 牛島明美, 津田さやか, 島友子, 下岡清美, 小林栄治, 小澤龍彦, 吉野修, 齋藤滋
Organizer
第33回日本生殖免疫学会総会
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