2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of organelle crosstalk on organ homeostasis in aging and disease
Project/Area Number |
18H02727
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲城 玲子 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50232509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 陽亮 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10780736)
井上 剛 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30821665)
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90311620)
田中 哲洋 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90508079)
西 裕志 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90784174)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 一次繊毛 / ミトコンドリアストレス / 尿細管細胞代謝 / オルガネラクロストーク / IFT88 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オルガネラ間相互作用(オルガネラクロストーク)による新しいエネルギー代謝制御機構や炎症反応制御機構の解明、それが臓器恒常性破綻に及ぼす影響を検討する。 近年の尿細管バイオロジーに関する研究のなかで、一次繊毛の形態変化が尿細管細胞機能維持と深く関連することが示唆され、一次繊毛の新たな病態生理学的意義の探索が研究領域として注目されている。我々もこれまでに一次繊毛関連遺伝子変異(多発性嚢胞腎責任遺伝子)がミトコンドリアストレス(ミトコンドリア生合成の低下、活性酸素産生の亢進)を惹起することを報告してきた。そこで本年度は、一次繊毛とミトコンドリア間のオルガネラクロストークによる新たな代謝制御機構を分子レベルで解明し、それらの病態生理学的意義解明を試みた。 シスプラチン誘導急性腎不全モデルマウスとシスプラチン負荷ヒト近位尿細管培養細胞(RPETC/TERT1)において、尿細管細胞障害に伴って1) 一次繊毛の短縮・消失、2) 一次繊毛構成分子Intraflagellar transport protein 88 (IFT88)発現の低下、3) IFT88蛋白発現低下と腎機能低下の有意な相関性、4)siRNAによるIFT88ノックダウンRPETC/TERT1におけるミトコンドリア機能低下、5)IFT88高発現RPETC/TERT1におけるミトコンドリア脂質代謝の亢進、などが認められた。 以上の結果から、シスプラチンは近位尿細管細胞一次繊毛構成分子IFT88の発現を低下させ、それがミトコンドリアの代謝機能障害を引き起こすこと、つまりシスプラチン腎症におけるミトコンドリア障害分子機構に一次繊毛障害が関与することを明らかにした。 本研究成果は国際学会(アメリカ腎臓学会、国際腎臓学会など)などで発表され、英文雑誌に投稿中(major revision後の再投稿)である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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