2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel immunotherapy for chronic inflammatory diseases
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18H02730
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中神 啓徳 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20325369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
島村 宗尚 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60422317)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ワクチン / アラーミン / 老化細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで生活習慣病に対する治療ワクチンの動物モデルにおける有効性・安全性を検証してきた(PNAS 2014, Hypertension 2015, Stroke 2017、Sci Rep 2017)。この治療ワクチンは内在性自己蛋白を標的とするため、短い抗原配列ペプチドを用いキャリア蛋白とコンジュゲートさせたワクチン設計により細胞性免疫活性化を回避し、抗体誘導を主導するような工夫を施しているのが特徴である。この基盤技術は抗体医薬の代替治療の可能性を秘めており、さらに組織傷害時に発現するアラーミンや加齢に伴い出現するSASPを標的とすることで正常組織を障害するリスクを低下させることができると考えた。本研究ではアラーミンであるS100A9を標的分子とした抗体誘導ワクチン、エフェクター機能を有する抗体を誘導し老化細胞T細胞除去の2つの治療ワクチンを設計した。 S100A9ワクチンにおいては、血管障害時に血小板から放出されるS100A9の機能を誘導抗体で阻害することで、血管完全閉塞までに時間を短縮させることができた。すなわち、血小板凝集能抑制作用を発揮できることが示された(Hypertension 2018)。通常、S100A9はS100A8とヘテロダイマーを形成することが多いが、S100A8ワクチンではこのような作用は認められなかった。老化T細胞除去ワクチンにおいては、老化T細胞がPD-1陽性かつCD153陽性であることに着目し、CD153に対する抗体を誘導することで老化T細胞数を有意に減少させることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
S100A9ワクチンおよびCD153ワクチンともに、抗原配列設計を決定し、ワクチン投与により有意な抗体価の上昇が認められ、薬効評価まで進んだため、順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
S100A9およびCD153ワクチンの疾患モデルでの研究を継続し、薬効評価を進める。
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Research Products
(1 results)