2019 Fiscal Year Annual Research Report
TBK1遺伝子ネットワークから解明するALSの分子病態とその制御
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18H02740
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山中 宏二 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80446533)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / 神経炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患の病態研究では、神経細胞のみに着目するのではなく、グリア細胞等を含めた神経系における細胞間ネットワークの破綻という観点からの病態解明の重要性が近年認識されている。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の一部は遺伝性に発症し、その原因遺伝子の一つとしてTBK1 (TANK binding kinase 1)が最近同定された。TBK1は、免疫系のシグナル制御分子であるとともに、オートファジーにも重要な役割を担うことが知られており、既報によるとTBK1の機能喪失がALSの発症に関わると考えられるがそのメカニズムの詳細は不明である。本研究では、TBK1の機能喪失を再現する新規ALSモデルの作成と解析を通じて、神経炎症の観点から、TBK1異常による神経変性メカニズムの解明を目指す。 昨年度までに、TBK1ノックアウトマウスの作成を完了することができた。二重欠失マウス(TBK1-DKO)は出生し、約10ヶ月齢まで生存し、明確な表現型に乏しい。現在、長期にわたる表現型・行動解析を行なうとともに、別の遺伝性ALSモデルであるSOD1変異マウスとの交配実験を開始しており、SOD1モデルにおけるTBK1欠失の影響を解析する計画である。さらに、グリア細胞におけるTBK1の役割を解明するため、オリゴデンドロサイトをはじめとしたグリア細胞の初代培養系を用いて、TBK1欠失による表現型、分子プロファイルの変容について詳細に解析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TBK1の異常を再現したモデルマウスおよび初代培養細胞の解析が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も予定通り実験計画を遂行する。
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Research Products
(6 results)