2021 Fiscal Year Annual Research Report
TBK1遺伝子ネットワークから解明するALSの分子病態とその制御
Project/Area Number |
18H02740
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山中 宏二 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80446533)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患の病態研究では,グリア細胞等を含めた神経系における細胞間ネットワークの破綻という観点からの病態解明の重要性が認識されている。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の一部は遺伝性に発症し,TBK1 (TANK binding kinase 1)は原因遺伝子の一つである。TBK1は,免疫系のシグナル制御分子であるとともに,オートファジー等タンパク質分解にも重要な役割を担うことが知られている。TBK1の機能喪失がALSの発症に関わると考えられる報告も散見されるが,そのメカニズムの詳細は不明である。本研究では,TBK1の機能喪失を再現する新規ALSモデルの作成と解析を通じて,神経炎症の観点からTBK1異常による神経変性メカニズムの解明を目指す。 TBK1欠失マウスは胎生致死であるが,作成したTBK1二重欠失マウス(TBK1-DKO)は約21ヶ月齢まで生存可能であり,明確な表現型に乏しいことが判明した。TBK1が運動神経損傷に対する応答に関与する可能性を検討するため,坐骨神経傷害モデルを作成してTBK1の関与を検討した。2ヶ月齢で片側坐骨神経傷害を惹起したTBK1-DKOおよびTBK1+/-マウスにおいて、TBK1の発現を抑制すると患側脊髄におけるミクログリア活性化マーカーや炎症性サイトカインの発現が軽度抑制された。したがって、TBK1は運動神経損傷モデルにおける炎症調節に一定の役割を果たすことが示された。一方で,タンパク質分解に関わる本分子の機能解析を培養細胞を用いて行った。TBK1はその活性依存的に神経変性疾患関連の異常タンパク質の分解を促進することを見出した。その分子メカニズムの詳細について検討を進めているが,我々の検討においても本分子は,神経炎症とタンパク質分解の2面的な機能を有することが判明した。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)