2020 Fiscal Year Annual Research Report
免疫性神経疾患における脂質2分子の複合体に対する自己抗体の解析と病因的意義の解明
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18H02745
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
楠 進 近畿大学, 医学部, 客員教授 (90195438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 基 近畿大学, 医学部, 講師 (40460860)
宮本 勝一 近畿大学, 医学部, 准教授 (50388526)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 免疫性神経疾患 / 自己抗体 / 糖脂質 / 脂質複合体 / ガングリオシド |
Outline of Annual Research Achievements |
近年われわれは、二種類の糖脂質の混合抗原を特異的に認識する抗体を急性期ギラン・バレー症候群(GBS)患者血中に見出し糖脂質複合体抗体と名付けた。本研究では糖脂質のみでなく糖脂質とリン脂質やコレステロール(Cho)の混合抗原に特異的な自己抗体を、リピッドアレイ法を用いて網羅的に検討した。免疫性脱髄性ニューロパチーのうち急性のAIDP16例、慢性のCIDP16例、および正常対照7例で、10種の糖脂質(各種ガングリオシド, Gal-C, Sulfatide等)と7種の脂質(Choと各種リン脂質)の複合体に対する抗体を調べた。その結果、ChoとGal-C の複合体に対するIgM抗体がAIDP7例(44%)、CIDP 7例(44%)、正常対照1例(14%)、ChoとSulfatideの複合体に対するIgM抗体がAIDP12例(75%)、CIDP6例(38%)、正常対照2例(29%)でみられた。従来標的抗原が不明であった免疫性脱髄性ニューロパチーで、Gal-CやSulfatideなどミエリン局在性の糖脂質と脂質の混合抗原に対する特異的なIgM抗体反応が多く検出され、病態との関連が示唆された。一方、CIDPの亜型であるMMNでは約半数でIgM抗GM1抗体が陽性となるが、GBSにおけるIgG抗GM1抗体と同様にフォスファチジン酸(PA)をGM1に添加することで陽性率が高まるかを検討した。その結果MMN37例のうちGM1単独に対するIgM抗体は20例(54%)にみられたがPA添加GM1抗原を含めて検討すると26例(70%)が陽性となり陽性率が向上した。その他に、IgG抗GD1a抗体がGBSの予後不良と関連し、臨床的なマーカーと併用することで的確に予後不良の予測が可能なこと、BBEでGQ1bおよびGQ1bを含む複合体に対するIgG抗体陽性例は均一な病態に基づくことを論文発表した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)