2019 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の結合性障害の包括的解明:超高磁場MRIによる次世代結合性解析
Project/Area Number |
18H02749
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30335286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 知久 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30321607)
宮田 淳 京都大学, 医学研究科, 講師 (90549099)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症の神経基盤は脳領域間の結合性の病態であるとの知見が集積しつつある。脳領域間の結合性の病理は、その形態学的側面を捉える拡散MRIと、その機能的側面を捉える安静時fMRIによってそれぞれ視覚化が可能である。しかし従来のMRI撮像技術には、複数の線維束の交差部位において白質走行の推定が困難となるなど、技術的限界が残されてきた。そこで本研究では、従来型のMRIの問題点を克服した次世代拡散MRI技術などを導入し、統合失調症の結合性病理を明らかにすることを目指している。 上述の目標を達成するために、高傾斜磁場強度MRI(3テスラ)および超高磁場MRI(7テスラ)を用いて、健康被験者、統合失調症被験者の撮像を実施した。3テスラMRIに関しては初年度と合わせ100例の撮像を達成した。また、7テスラMRIに関しては初年度に目標とした最適な撮像パラメータ決定を終えたが、2年目にあたる本年度は、この撮像条件のもとに健康被験者55名を撮像した。 3テスラMRIから得られた拡散画像については、初年度に続き、マルチコンパートメントモデル解析(neurite orientation dispersion and density imaging: NODDI)およびfixel-based analysisの2種類の方法で解析を行った。大脳白質解析として、本年度はさらに、freewater imaging、myelin mappingの二つの解析法を導入した。これらの結果の一部は学術論文として投稿準備中である。 一方で3テスラMRIから得られた安静時fMRIデータについては、human connectome project(HCP)のパイプラインに基づく機能的コネクトーム解析を行い、予備的結果を得ている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3T-MRIについては目標の被験者登録を達成し、予定していた解析も順調に進めることができた。また、当初予定していた解析法に加えて、新規解析法も導入することができた。7T-MRIについても被験者リクルートが予定以上に順調に進んだ。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究は計画どおり順調に進行しているため、現状の体制を維持する。得られた画像の解析には高度な技術を要するため、適宜、解析の専門家の助言も得ながら、迅速かつ妥当な解析を目指す。学術論文は現在投稿中のものは受理を目指し、投稿予定のものは3年次に受理を目指す。ただし、新型コロナウイルスの問題により、最終年度は、被験者撮像が大幅に停滞することが予想される。これまでに取得できたデータから、可能な範囲で目標達成に近づける。
|