2019 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging neurofibrillary tangles and astrogliosis for the clarification of the pathogenesis of Alzheimer's disease
Project/Area Number |
18H02771
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡村 信行 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (40361076)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アストロサイト / タウ / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
活性化したアストロサイトやミクログリアによって生じる神経炎症は、アルツハイマー病の病態形成に深く関与する。我々は反応性アストロサイトを非侵襲的に画像化する目的で、反応性アストロサイトに高発現しているモノアミン酸化酵素B(MAO-B)を検出するPETプローブ[18F]SMBT-1を開発した。前年度までの解析によって、優れた結合特性、動態、安全性が確認されたことから、健常高齢者とアルツハイマー病患者を対象としたSMBT-1の臨床研究を開始した。[18F]SMBT-1は投与後速やかに脳内へ移行し、MAO-Bの脳内分布に一致した集積を示した。アルツハイマー病患者の投与60-80分後の画像において、大脳皮質におけるSMBT-1の有意な集積上昇が観察され、その集積分布はアミロイドやタウの沈着部位ともオーバーラップしていた。MAO-B阻害薬セレギリンによってSMBT-1の結合はブロックされたことから、[18F]SMBT-1のMAO-Bへの高い結合選択性が確認された。 神経原線維変化を検出する次世代タウPETプローブの開発に関しては、第一世代プローブで問題とされたオフターゲット結合を排除することが課題であった。我々はオフターゲット結合が少ない新規タウPETプローブを開発する目的で化合物の探索を行った結果、タウ病変に対して高い結合親和性を示す候補化合物SNFT-1を新たに見出した。SNFT-1はマウスへの静脈内投与後、優れた脳移行性を示したことから、有力なタウPETプローブの候補化合物と考えられた。次年度以降、SNFT-1の結合性評価を更に進め、また標識合成装置を完成させて、臨床研究への準備を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応性アストロサイトを画像化する新規プローブ[18F]SMBT-1の臨床研究を開始することができた。また次世代タウプローブに関しても、既存のプローブよりも性能の優れた新規候補化合物の発見に至っており、その前臨床評価が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
[18F]SMBT-1の臨床研究は共同研究先であるメルボルン大学オースチン病院において先行実施しているが、2020年度以降、日本国内(東北大学)においても臨床研究を開始し、また共同研究先への前駆体供給も進める計画である。
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