2021 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging neurofibrillary tangles and astrogliosis for the clarification of the pathogenesis of Alzheimer's disease
Project/Area Number |
18H02771
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡村 信行 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (40361076)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アストロサイト / タウ / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
活性化グリア細胞の増生によって特徴づけられる神経炎症は、アルツハイマー病の発症や病態形成に深く関与する。我々は反応性アストロサイトを生体画像化する目的で、反応性アストロサイトに高発現しているモノアミン酸化酵素B(MAO-B)を検出するPETプローブ[18F]SMBT-1を開発した。これまでの前臨床研究の結果、[18F]SMBT-1の優れた結合特性、動態、安全性が確認されたことから、健常高齢者とアルツハイマー病患者を対象とした臨床研究を実施した。[18F]SMBT-1は投与後速やかに脳内へ移行し、健常人では生理的に存在するMAO-Bの脳内分布に一致した集積分布を示した。[18F]SMBT-1の結合はMAO-B阻害薬によって阻害されたことから、MAO-Bとの高い結合選択性が確認された。アルツハイマー病患者の患者では、大脳皮質におけるSMBT-1の集積が健常高齢者に比べて有意に上昇していた。[18F]SMBT-1の集積分布をアミロイドPETと比較した結果、アミロイド沈着部位において[18F]SMBT-1の顕著な集積上昇を認めたことから、アミロイド病理とアストログリオーシスの密接な関連性が示唆された。 上記研究と並行して、オフターゲット結合が少ない新規タウPETプローブの開発を進め、新規プローブ候補化合物SNFT-1を開発した。SNFT-1はPHFタウへの高い結合親和性、結合選択性、優れた脳移行性を示したことから、有力なタウPETプローブの候補化合物と考えられた。既存の放射性医薬品合成装置FASTlabを用いて、標識合成の最適化を進めた結果、臨床研究実施に必要な高い標識合成収率の確保に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で臨床研究の被検者確保が難航したものの、反応性アストロサイトを画像化する新規プローブ[18F]SMBT-1の臨床研究を実施できている。次世代タウプローブの有力候補化合物の開発にも成功し、これまで課題とされていた標識合成収率を高めることにも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本国内における[18F]SMBT-1の臨床研究を推進し、その臨床的有用性を引き続き評価する予定である。また新規タウPETプローブを用いた臨床研究への準備を進めたい。
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