2020 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス標的アイソトープ治療による動脈硬化不安定プラーク制御法の開発
Project/Area Number |
18H02773
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
吉永 恵一郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診療治療研究部, グループリーダー(定常)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | アイソトープ治療 / 動脈硬化 / 不安定プラーク / 虚血性脳疾患 / 核医学診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究開発は虚血性脳血管障害発症の主因となる頚動脈の不安定プラークに対し、近年悪性腫瘍の治療へ応用が始まったα線標識薬剤アスタチン-211による制御を試み、本邦初のアイソトープ治療に基づく虚血性脳血管障害の発症阻止への展開を目指すものである。 動脈硬化病変でのアポトーシス発現部位への選択的薬剤の開発として、1)アポトーシス発現細胞に結合するAnnexin-A5 (ANXV5)と、2)トランスローケータプロテイン(TSPO)に特異的に結合する性質を持ったFEDACの2候補をフッ素-18 (18F)により標識し合成を行った。頚動脈の動脈硬化症モデルウサギに対し、動物用PETを用い血管壁プラークへの薬剤集積と病理オートラジオグラフィー法による検討を行った。1)18F-Annexinに関しては目立った集積は認められず、血中クリアランスが遅く治療用薬剤としても不適格と考えた。2)18F-FEDACでは全例で動脈硬化病変の血管壁への集積が観察可能で、オートラジオグラフィーと血管壁厚では強い相関が認められ、PET画像SUV値とオートラジオグラフィー、PET画像SUV値と血管壁厚については患側健側比で相関が認められた。また周囲の正常組織への集積はほぼ認められなかった。以上により、候補薬剤2)18F標識FEDACが動脈硬化病変への特異的集積を示し、診断用・治療用薬剤として有用である可能性が示され、現在英文誌(Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology)に投稿(令和2年11月6日)中である。これを受け、FEDACへのα線放出核種アスタチン-211標識の安定性の検討を進めている。 本研究により、アポトーシス標的アイソトープ治療薬剤候補として、α線放出核種アスタチン-211標識FEDACが有用である可能性が示され、標的アイソトープ治療による動脈硬化不安定プラーク制御法の基礎が確立されたものと考える。 今後はFEDACへのアスタチン-211標識のさらなる安定化を目指し、α線核種標識薬剤211At-FEDACを用いたアイソトープ治療に基づく脳血管障害の予防治療研究の確立を目指して、次年度以降に新規研究として展開する予定である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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