Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 真由美 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10293565)
飯塚 勝美 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40431712)
細道 一善 金沢大学, 医学系, 准教授 (50420948)
矢部 大介 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60378643)
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は現在までMODY1, 2, 3, 5, 6に限ってサンガーシークエンス、MLPA法で遺伝子診断を進めてきたが、今年度NGSを用いた独自のMODY候補遺伝子パネルを作成し検証した。そして従来の結果はNGSによる解析と一致していることを確認した。これにより今後、短時間かつ数十分の一のコストでMODY遺伝子検査が可能となった。また機能欠失変異およびHGMDに基づいたアミノ酸置換の評価から、新たに日本人初のMODY4(PDX1)に加えて、MODY7(KLF11), MODY9(PAX4), MODY10(INS), MODY12(ABCC8), MODY13(KCNJ11) をそれぞれ2, 1, 3, 1, 6, 1例ずつ同定できた。他に幾つかの既報のMODY様遺伝子についても同定できた。特にエクソン数の多いABCC8では6個の変異が同定され、今後インスリン治療からの離脱試行など治療選択にも手がかりを与えた。 しかし一方、依然多くの原因遺伝子未知の家系が残っており、エンハンサー領域の探索含めMODY関連遺伝子領域のゲノムリシークエンスを施行した。レギュローム解析では、MODY1~6遺伝子に変異を有さない発端者2名について全ゲノムシークエンスを実施し、3,614,470~3,663,511の点変異を検出した。また、構造変異として、26~32のCNV、1,488~2,907の大規模挿入、3,553~4,939の大規模欠失を検出した。RNA-seqのデータから遺伝子発現との関連が得られ、十分な実験データの根拠を持つ転写調節因子結合領域の多型・変異は39,433ヶ所認められた。エンハンサー領域の機能異常に起因する疾患要因として既報のMODY1~6遺伝子発現を制御する可能性も高いため、既知MODY遺伝子におけるTAD領域を精査したところ、MODY 2, 3とそれ以外では異なり多様性が認められた。
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