2021 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞の分子機構に立脚した大腸癌の予後因子同定と新規治療法の非臨床POC取得
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18H02796
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
青井 貴之 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛地 吉弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
青井 三千代 (小柳) 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (90432327)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 癌幹細胞 / オルガノイド / ゼノグラフト |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、患者由来大腸癌オルガノイドを樹立し、それらにおける主な遺伝子変異を同定した。さらに、in vitroの定量的な薬剤感受性試験系を確立し、我々の先行研究の結果から大腸癌に対する効果が期待されたバルプロ酸の有効性を示唆する結果が得られていた。当該年度はこれをさらに発展させ、一連の症例由来の大腸癌オルガノイドを用いた検討で、バルプロ酸のin vitroでの有効性が統計的優位差をもって明らかになった。さらに、ノックダウンを用いた実験から、大腸癌におけるバルプロ酸の標的分子およびその作用機序が患者由来オルガノイドで明らかになった。この結果は、我々が先行研究において独自技術である誘導型大腸癌幹細胞を用いて得ていた知見と一致するものであった。 さらに、大腸癌患者由来xenograftを作製する系を確立した。すでに樹立していたオルガノイドを免疫不全マウスへ移植するという方法により安定してxenograftを得ることができた。これを用いた治療実験で、大腸癌に対するバルプロ酸の効果がin vivoでも示唆された。 大腸癌の新規予後因子同定の試みとして、これまでの研究で申請者らが抽出した、大腸癌幹細胞における重要分子候補群について、TCGAデータを用いてそれらの発現量と予後の関連を解析し、相関がある遺伝子を同定した。しかし、それに続く細胞生物学的実験によってその新規治療標的因子としての意義が認められたものはなかった。また、臨床検体からの人工大腸癌幹細胞作製は、研究期間終了時点までには成功しておらず、何らかの幹細胞化抑制機構が存在することが示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)