2019 Fiscal Year Annual Research Report
Search for the pathogenesis and drug target of atrial fibrillation based on ExWAS
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18H02803
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80251552)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心房細動 / 全エクソン相関解析 / 自律神経 / マクロファージ / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
①Sall3に関する研究:神経由来細胞株Neuro2Aでsall3をノックダウンすると、自律神経のうち交感神経への分化のマーカーであるチロシン水酸化酵素(TH)の発現が減少し、野生型sal3を過剰発現させるとTHの発現が2倍以上に増加することが分かった。心房細動感受性変異(V866A)を有するsall3を発現させると、THの発現がさらに1.5倍(コントロールに比べると3倍以上)増加することが分かった。以上から、in vitro解析でsall3が自律神経の交感神経への分化を誘導する転写因子であること、心房細動感受性Sall3 V866Aが交感神経への分化をさらに増強することが示された。 ②Tks5に関する研究:我々は理化学研究所との共同研究で行ったExWASで、オッズ比が3.617のSNPrs202011870を同定した。別の日本人コホート(心房細動3378人、コントロール641人)でrs202011870が心房細動発症と関連することが再現された。同SNPはTks5と呼ばれる細胞質タンパク質上に存在し、396番目のLysをArgに置換する(L396R)。そこで、Tks5を欠損した単球、心房細動感受性SNPを有する単球を作成し、in vitro実験でTks5がマクロファージのpodosome形成を介してマクロファージの遊走に関わることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全エクソン関連解析で、心房細動感受性遺伝子であることが示唆されたSall 3とTks5の機能を、それぞれの遺伝子のノックアウト細胞を作成することにより検討し、Sall3が自律神経の交感神経の分化に関わること、Tks5が単球のマクロファージへの分化に関わることを明らかにした。 また、それぞれの心房細動感受性SNP Sall3(V866A)とTks5(L396R)の影響を検討したところ、Sall3は交感神経への分化をさらに増強すること、通常の単球はホルボールエステルにより刺激することでマクロファージに分化するがTks5(L396R)を導入した単球はホルボールエステルの刺激なしにマクロファージに分化することを明らかにした。 このように、2つの心房細動感受性SNPsの機能をin vitroで明らかにすることに成功したことから、おおむね順調に進展していると考える
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Strategy for Future Research Activity |
Sall3 ノックアウトマウス、心房細動感受性SNPを持つSall 3(V866A)ノックインマウス、およびTks5ノックアウトマウス、心房細動感受性SNPをもつTks5(L396R)を作成し、in vivoで生物学的機能解析を行う。 Sall3に関しては、in vivoでも自律神経の交感神経への分化に関することを、THの免疫組織染色を用いて検討し、さらにテレメトリー心電計を用いて心房細動の自然発症、および電気刺激による誘発頻度を検討する。 Tks5に関しては、免疫組織染色により単球のマクロファージへの分化と心臓への浸潤を検討し、テレメトリー心電計を用いて心房細動の自然発症、および電気刺激による誘発頻度を検討する。
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Research Products
(3 results)