2020 Fiscal Year Annual Research Report
高脂肪食負荷に伴うT細胞老化の分子機序と制御法の解明
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18H02812
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐野 元昭 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30265798)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オステオポンチン / 線維化 / 心不全 / 糖尿病性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
オステオポンチンは強力な炎症、線維化誘導分子である。オステオポンチンの産生細胞は臓器、病態ごとに実に多彩である。高脂肪食を負荷して作製した肥満マウスの内臓脂肪では、オステオポンチンの産生源は、CD4+ Tリンパ球のサブセットであった。この細胞は、CD153+ PD-1high メモリー T 細胞で、この細胞からの産生されるオステオポンチンが内臓脂肪慢性炎症の起点となっていた。一方、急性心筋梗塞後、梗塞部位に適切な線維化をもたらし創傷治癒に働くオステオポンチンは、galectin-3+ CD206+ マクロファージであった。心臓の線維化促進因子として、galectin-3とオステオポンチンがそれぞれ独立して関与していると考えられてきたが、我々は、galectin-3はオステオポンチン遺伝子の転写活性化を介して線維化を制御していることを証明した。オステオポンチン産生マクロファージへの分化には、IL-10やcolony stimulating factor 1 (CSF1) を介したSTAT-3の活性化、MerTKの細胞表面への発現、ERKの活性化が重要であることを証明した (Shirakawa K, Sano M., et al. J Am Heart Assoc. 2020 Sep 15;9(18):e017071.)。さらに、腎臓においては、虚血再灌流障害、片側尿細管結紮モデルにおいてオステオポンチンは近位尿細管上皮細胞から大量に産生される。そこでオステオポンチンの転写活性を近位尿細管上皮細胞のストレスマーカーとして利用して、尿細管上皮細胞の糖毒性の分子機序を明らかにした (Shirakawa K, Sano M. Int J Mol Sci. 2020 Oct 16;21(20):7676.)。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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