• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Annual Research Report

Mechanisms for effectiveness of hypo-methylating agent for TP53-mutated MDS

Research Project

Project/Area Number 18H02836
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

南谷 泰仁  京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60451811)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords骨髄異形成症候群 / 脱メチル化剤 / TP53
Outline of Annual Research Achievements

・アザシチジンを投与された検体のオミクス解析
TRAIN現象の確認:肺がんの症例ではTP53欠失細胞株に脱メチル化剤を投与するとヒトゲノムの~20%を示す繰り返し配列のRNA転写が著明に亢進し、これがdsRNAを形成しインターフェロンの発現誘導を生じ、細胞死をもたらす現象(TRAIN現象)が知られている。これがアザシチジンの有効性メカニズムである可能性を考え、TP53陽性、陰性腫瘍検体を用いてRNA解析を行った。脱メチル化剤によってTRAIN現象に関わるMDA5/MAVS/IRF7系の亢進が観察されたものの、TP53変異の有無および治療反応性との相関を認めなかった。
一方、、脱メチル化剤の有効性の機序として、遺伝子プロモータに高密度に集積するCpGアイランドにみられるDNAの過剰なメチル化を解除するものとされている。そのため、メチル化の程度が強い症例は発がんメカニズムがメチル化の程度に大きく依存しているため、脱メチル化剤の有効性が高いのではないかと推測されたため、ゲノムのメチル化とアザシチジンの有効性の相関を調べた。しかし、治療前のゲノム全体のメチル化のレベルとアザシチジンの有効性の間に相関は認めなかった。今後は遺伝子毎のメチル化レベルに着目して解析を進める。
・患者由来腫瘍組織異種移植マウスモデル(PDXモデル)の樹立
これまでTP53陽性骨髄異形成症候群の患者5名より樹立を試みたが、正着を認めなかった。しかし、海外の共同研究者より骨髄異形成症候群由来急性骨髄性白血病の患者由来のPDXの樹立の報告を受け、供与を受けた。急性骨髄性白血病はPDXの樹立が比較的容易であるため、転化によって正着可能となったと考えられる。厳密には急性骨髄性白血病は骨髄異形成症候群とは異なるが、遺伝子的な背景の共通点が大きいと考えこれを用いることにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

・TP53変異陽性症例骨髄異形成症候群の治療反応性機序の解明を目的として多方面からのアプローチを行ってきている。研究開始時にもっとも強く想定していたTRAIN現象に関しては、TP53変異陽性との相関がみられなかったため、脱メチル化剤治療の作用メカニズムの一つである可能性があるものの、TP53変異陽性症例に特異的な現象ではないと想定された。そのため、メチル化およびRNA発現、さらに全ゲノム解析を用いた他の手法によるアプローチを主体的な研究手法に行うよう、変更を行った。そのため、若干遅延が生じているが、その間に国際的な共同研究によって、治療反応性と相関するゲノムプロファイルの解析が進み、論文投稿を行う段階にまで進めることが出来た。
・患者由来腫瘍組織異種移植マウスモデル(PDXモデル)の樹立については、骨髄異形成症候群症例からの樹立は出来なかったものの、TP53変異陽性骨髄異形成症候群由来急性骨髄性白血病患者のPDXを入手できた。遺伝的な背景に共通点が大きいと考えられることから、これを代替として用いることにした。

Strategy for Future Research Activity

・臨床試験をベースとした検体収集に基づくオミクス解析
TP53陽性骨髄異形成症候群症例の脱メチル化剤治療の前後、特に治療前の時点と抵抗性に転じた時点の、標的シークエンスを用いたゲノムプロファイルについて、23症例を用いて解析した結果、一部の症例でRASパスウエイ遺伝子の出現が見られるものの、大きな変化を来さないことが観察された。これらの症例は、一旦は治療に奏功し寛解に導入できているため、治療前から抵抗性を示しているものではない。そのため、標的シークエンスで検出出来ないオミクスの変化が治療抵抗性獲得に寄与していることが想定された。そのため、初診時と治療抵抗性期の臨床検体を用いて、オミクス解析を行う。2020年3月まで、TP53変異陽性症例骨髄異形成症候群を対象とした臨床研究を行っており、詳細な臨床情報のプロファイルを持つ検体が36症例収集された。これらの検体は、治療毎および造血幹細胞施行時、再発時の生細胞が保管されており、奏功状態を経て治療抵抗性となった症例が4例含まれている。本年度は、これらの検体のオミクス解析を中心に行う。すでに全ゲノム解析を3症例について行っており、それらのゲノムプロファイルの解析を進めるとともに、メチル化アレイ、RNA解析も併せて行う予定である。ここでみられた変化は上記の知見と併せて、治療奏功のマーカーとなっている可能性を検討する。具体的には治療抵抗性期に獲得されたマーカーを当初より有するかどうかが、治療奏功や長期予後との相関があるかを検討する。
・患者由来腫瘍組織異種移植マウスモデル(PDXモデル)の樹立
アザシチジン曝露による細胞内変化の観察を行う。具体的には通常抗癌剤による細胞死はアポトーシスによるが 、TP53活性を失われた場合の細胞死がアポトーシスによるかどうかは不明であるため、アザシチジンを暴露 し、採血後に細胞に生じる変化を観察する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Implications of TP53 allelic state for genome stability, clinical presentation and outcomes in myelodysplastic syndromes2020

    • Author(s)
      Bernard Elsa、Nannya Yasuhito, et al.,
    • Journal Title

      Nature Medicine

      Volume: 26 Pages: 1549~1556

    • DOI

      10.1038/s41591-020-1008-z

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Presentation] Molecular characteristics that predict response to azacitidine therapy2019

    • Author(s)
      Yasuhito Nannya et., al
    • Organizer
      第61回米国血液学会
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Molecular characteristics that predict response to azacitidine therapy2019

    • Author(s)
      Yasuhito Nannya et., al
    • Organizer
      MDS symposium 2019
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Novel classification of genetic events and subtypes in myeloid tumors revealed by Integrated omics analysis2019

    • Author(s)
      Yasuhito Nannya et., al
    • Organizer
      第78回日本癌学会総会
    • Invited
  • [Presentation] Novel combinations of genetic events and subtypes in myeloid tumors revealed by Integrated analysis2019

    • Author(s)
      Yasuhito Nannya et., al
    • Organizer
      第81回日本血液学会学術集会総会

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi