2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development and clinical application of cancer-specific single-chain antibody using new technology of antibody modification
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18H02839
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安川 正貴 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60127917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 俊元 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (10571086)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん免疫療法 / 遺伝子改変T細胞 / CAR-T細胞 / 抗体改変技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、がんに対する新たな遺伝子改変T細胞療法をハイ初する目的で研究を遂行し、下記の成果が得られた。まず、がん細胞で発現されているHLA-A*02:01/NY-ESO-1-157を標的モデルとして、新たながん特異的一本鎖抗体(scFv)スクリーニング法を確立した。4人の健常人ヒト末梢血B細胞を回収し、5’RACE PCR法を用いて免疫グロブリン軽鎖および重鎖可変領域遺伝子をドナー毎にクローニングした。 次に、A2/NY-ESO-1-157特異的抗体と連結したscFvライブラリーを作製し、CAR遺伝子に組み込んで末梢血T細胞に遺伝子導入し、CARライブラリーT細胞を作製した。さらに、CAR-T細胞の活性化を指標にA2/NY-ESO-1-157特異的scFvのスクリーニングを行なった。10種類以上の新規A2/NY-ESO-1-157特異的scFvを短期間で同定し、新たに同定したA2/NY-ESO-1-157特異的CAR-T細胞の機能解析を行った。その結果、抗原特異性を維持しながら、様々な標的親和性と交差反応性を保持するscFvレパトアの獲得に成功した。また、HLAペプチド複合体とは異なる細胞表面抗原であるCD19を標的モデルとした検討も行った。次に、CD19をモデル抗原とした実験を行った。同様にして、CD19特異的scFvの可変領域遺伝子の片方を可変領域ライブラリー遺伝子に置換した。CD19 CARライブラリーT細胞を作製し、抗原特異的に刺激してCD19特異的CAR-T細胞を濃縮することで、新規scFv遺伝子の同定にも成功した。 以上の結果から、本技術は有効性に富むCAR-T細胞の作製に有用であり、様々ながん抗原特異的scFvレパトアの作製に応用が可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常人ヒト末梢血B細胞を回収し、免疫グロブリン軽鎖および重鎖可変領域遺伝子をクローニングした。A2/NY-ESO-1 157 scFv可変領域遺伝子の片方を可変領域ライブラリー遺伝子に置換することで、A2/NY-ESO-1 157 第二世代 (CD28zeta)CARライブラリーを作製した。これらのCARライブラリーを末梢血T細胞に遺伝子導入して抗原特異的に刺激すると、A2/NY-ESO-1 157 特異的CAR-T細胞を濃縮できることをテトラマー法により見出した。続いて、A2/NY-ESO-1 157 テトラマー陽性CAR-T細胞よりその可変領域遺伝子をクローニングしたところ、複数の新規A2/NY-ESO-1 157 特異的scFv遺伝子の同定に成功した。 次に、新たに同定したscFvを搭載したCAR遺伝子をT細胞株に導入した。CAR-T細胞株は、A2/NY-ESO-1 157 テトラマーによって様々な強度で染色されることから、これらのscFvは異なる標的親和性を保持していた。また、末梢血T細胞とアラニン置換したNY-ESO-1 157 ペプチドとを用いた検討を通して、可変領域を変化させることでCAR-T細胞の保持する潜在的交差反応性を微細にかつ大胆に変化させることができることも明らかにした。 次に、CD19をモデル抗原とした実験を行った。同様にして、CD19特異的scFvの可変領域遺伝子の片方を可変領域ライブラリー遺伝子に置換した。CD19 CARライブラリーT細胞を作製し、抗原特異的に刺激してCD19特異的CAR-T細胞を濃縮することで、新規scFv遺伝子の同定にも成功した。 これらの成果が得られたことから、当初の計画通りおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は昨年度に引き続き、複数のドナーより健常人/患者B細胞を回収し、ドナー毎に免疫グロブリン可変領域遺伝子ライブラリーを作製して、CARライブラリーの拡大を図る。次に、CD19をモデル抗原として、本技術で獲得した新規scFv CAR遺伝子を末梢血T細胞に導入して機能解析を進める。具体的には、腫瘍細胞数を変化させながら、新規CAR-T細胞と従来型CAR-T細胞のT細胞形質、分裂能力、サイトカイン産生能、細胞傷害活性などを、免疫学的手法を用いて比較解析する。また、CD19陽性腫瘍を経静脈的に移植したin vivoマウスモデルを作製し、経静脈的に輸注したCAR-T細胞による治療効果を、in vivo発光イメージング法と生存期間解析によって比較検討する。さらに、CD19陽性腫瘍細胞を皮下に接種したin vivo固形がんモデルも作製する。同様にして輸注したCAR-T細胞の局所での動態を、in vivo発光イメージング法と病理学的解析によって比較検討する。これらの研究を通して、新規scFvを搭載したCAR-T細胞が、in vivoにおいて高い抗腫瘍活性を発揮することを明らかにする。そして、本手法を、in vivoでのCAR-T細胞の機能性を高めることができる新規scFv作製技術として確立する計画である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Direct comparison of target-reactivity and cross-reactivity induced by CAR- and BiTE-redirected Tcells for the development of antibody-based T-cell therapy2019
Author(s)
Maruta, M., Ochi, T., Tanimoto, K., Asai, H., Saitou, T., Fujiwara, H., Imamura, T., Takenaka, K.,Yasukawa, M.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 9
Pages: 13293
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Establishment of a novel T-cell-based scFv screening technology to advance modified antibody-based immunotherapy2019
Author(s)
Ochi, T., Maruta, M., Tanimoto, K., Fujiwara, H., Takenaka, K., Yasukawa, M.
Organizer
The 17 th Annual Meeting of the Association for Cancer Immunotherapy (CIMT)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Next-generation CAR T-cell therapy using antitumor scFvs optimized by a cell-based screening system2019
Author(s)
Ochi, T., Maruta, M., Tanimoto, K., Fujiwara, H., Takenaka, K., Yasukawa, M.
Organizer
The 81 st Annual Meeting of the Japanese Society of Hematology
Invited
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