2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cancer stem cell purification and drug discovery support by the overall disease model using a new PDX model
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18H02840
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
竹中 克斗 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30301295)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 患者組織移植モデル / 免疫不全マウス / SIRPA / マクロファージ寛容 / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト正常造血幹細胞のアッセイ系として開発された免疫不全マウスによる異種移植の系は、ヒト造血・免疫系の動態や制御プロセスをin vivoで評価するモデルとして頻用されている。さらに、この系はヒト疾患再現モデルとして、造血器腫瘍・固形腫瘍の幹細胞純化や病態解明、幹細胞標的治療の開発、あるいはマウス内へのヒト細胞への感染実験モデル・ワクチン開発、薬剤安全性の前臨床試験への応用が期待されている。しかし、現在の異種移植系では、マウス内のヒト造血がB細胞系に偏る、赤芽球系・巨核球系の造血がみられない、急性白血病以外の腫瘍細胞の生着効率が低い、などの問題点が挙げられる。本研究では、「完全マクロファージ寛容」「骨髄ニッチのオープン化」導入により、マウス環境を改変した次世代患者組織移植モデルを開発し、あらゆる疾患を再現可能な全般的疾患再現モデル構築によって、腫瘍性幹細胞純化・創薬開発の支援基盤を目的としている。 我々は、すでに、B6バックグラウンドで、Rag2欠損、IL2Rg欠損に、骨髄ニッチオープン化のためのKit変異を導入したB6.Rag2(null)IL2Rg(null)Kit(Wv/Wv)マウスを樹立し、「骨髄ニッチのオープン化」に成功し、また、BRGSにヒトSIRPAをノックインしたBRGhSラインも樹立し、「完全マクロファージ寛容」導入も完了している。当該年度では、BRGSKとBRGhSを交配し、次世代PDXモデルの完成形であるBRGhSKの樹立とラインの拡大を行うとともに、マウスコロニーの拡大と、正常造血幹細胞の生着効率の検証を行い、極めて高いヒト造血細胞の生着が得られている。次年度では、引き続き、新規マウスラインの検証とともに、マウス内でのヒト疾患再構築と、幹細胞分画の同定を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題では、新規患者組織移植(PDX)モデルを構築し、ヒト疾患再現モデルとして、造血器腫瘍・固形腫瘍の幹細胞純化や病態解明、幹細胞標的治療の開発、あるいはマウス内へのヒト細胞への感染実験モデル・ワクチン開発、薬剤安全性の前臨床試験への応用を目指し、これまでの知見と実績をベースに全般的疾患再現モデルを構築可能なPDXモデルを開発し、腫瘍性幹細胞純化や創薬開発支援の基盤整備を行っている。我々は、異種移植寛容の原因がSirpa多型にあることを突き止め (Nat Immunol 2007)、C57/BL6バックグランドでRag2およびIl2rgを欠損したマウスに、NOD型Sirpa変異を導入した新規免疫不全マウス(BRGS)を作製し、世界最高レベルのPDX効率を持つことを報告した(Blood 2013)。我々は、BRGSに、c-KitWv変異を追加導入したBRGSKラインを樹立し、「骨髄ニッチのオープン化」によって、より高いPDX効率と、これまでのモデルでは不可能であったヒト赤芽球系・巨核球系造血再構築を得ている。また、BRGSにヒトSIRPAをノックインしたBRGhSラインも樹立しており、「完全マクロファージ寛容」導入によって、BRGSに比較して、高いPDX効率と、皮下移植した大腸癌細胞株の増殖速度の亢進が得られている。当該年度では、BRGSKとBRGhSを交配し、次世代PDXモデルの完成形であるBRGhSKの樹立し、このラインの拡大を行っている。マウスコロニーの拡大には時間を要するため、次年度も引き続き、ラインの拡大は継続するが、同時に、新規に樹立したBRGSKマウスの胚凍結による保存も行っていく。次年度では、引き続き、新規マウスラインの検証とともに、マウス内での疾患再構築と、幹細胞分画の同定を進めていく予定であり、研究計画はおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度では、BRGSKとBRGhSを交配し、次世代PDXモデルの完成形であるBRGhSKの樹立し、このラインの拡大を行ってきた。マウスコロニーの拡大には時間を要するため、次年度も引き続き、ラインの拡大は継続するが、同時に、新規に樹立したBRGSKマウスの胚凍結による保存も行っていく。次年度では、同時に、新規に樹立したBRGSKマウスの胚凍結による保存も行っていく。これまでのPDXモデルで疾患再構築が困難であった骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の検体から臨床病態の変化に伴い経時的にがん幹細胞亜分画を純化し、BRGhSKマウスを用いた機能解析を生体内で行い、各亜分画の病態進展における役割を明らかにする。さらに、MPN/MDS幹細胞の純化・同定を進め、TIM-3をマーカーに亜群を分離し、生体内がん幹細胞活性、分化能解析、遺伝子変異解析、トランスクリプトーム解析、エピゲノム解析などを行い、各亜群の機能的差異や、各クローンの階層性、連関を明らかにし、それぞれの亜群における遺伝子変異や代謝変化がクローン進化に果たす役割を明らかにし、治療標的分子の網羅的解析を行っていく。MDSと同じ骨髄不全症候群である再生不良性貧血(AA)や発作性夜間血色素尿症(PNH)などのクローン性造血についても、ヒト赤血球造血の再構築が可能な本モデルにおいて疾患再構築を行い、クローン解析を行っていく。最終的には、「完全マクロファージ寛容」「骨髄ニッチのオープン化」導入により、マウス環境を改変した次世代患者組織移植モデルを開発し、あらゆる疾患を再現可能な全般的疾患再現モデル構築によって、腫瘍性幹細胞純化・創薬開発の支援基盤構築を目指している。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Dedifferentiation process driven by TGF-beta signaling enhances stem cell properties in human colorectal cancer.2019
Author(s)
Nakano M, Kikushige Y, Miyawaki K, Kunisaki Y, Mizuno S, Takenaka K, Tamura S, Okumura Y, Ito M, Ariyama H, Kusaba H, Nakamura M, Maeda T, Baba E, Akashi K.
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Journal Title
Oncogene
Volume: 38
Pages: 780-793
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Escape hematopoiesis by HLA-B5401-lacking hematopoietic stem progenitor cells in men with acquired aplastic anemia.2019
Author(s)
Elbadry MI, Mizumaki H, Hosokawa K, Espinoza JL, Nakagawa N, Chonabayashi K, Yoshida Y, Katagiri T, Hosomichi K, Zaimoku Y, Imi T, Nguyen MAT, Fujii Y, Tajima A, Ogawa S, Takenaka K, Akashi K, Nakao S.
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Journal Title
Haematologica
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] E-cadherin regulates proliferation of colorectal cancer stem cells through NANOG.2018
Author(s)
Tamura S, Isobe T, Ariyama H, Nakano M, Kikushige Y, Takaishi S, Kusaba H, Takenaka K, Ueki T, Nakamura M, Akashi K, Baba E.
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Journal Title
Oncol Rep
Volume: 40
Pages: 693-703
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Hematopoiesis by iPSC-derived hematopoietic stem cells of aplastic anemia that escape cytotoxic T-cell attack.2018
Author(s)
Espinoza JL, Elbadry MI, Chonabayashi K, Yoshida Y, Katagiri T, Harada K, Nakagawa N, Zaimoku Y, Imi T, Takamatsu H, Ozawa T, Maruyama H, Hassanein HA, Khalifa A Noreldin A, Takenaka K, Akashi K, Hamana H, Kishi H, Akatsuka Y, Nakao S.
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Journal Title
Blood Adv
Volume: 2
Pages: 390-400
DOI
Peer Reviewed
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