2018 Fiscal Year Annual Research Report
神経向性ウィルス複製における粘膜組織微生物群の役割
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18H02857
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
飯島 則文 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, サブプロジェクトリーダー (40612552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 知得 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (70571199)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 粘膜感染 / 末梢組織免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘膜組織には、病原微生物が侵入する以前に、既に様々な微生物叢が常に存在しており、互いに共存する形で粘膜組織の機能維持に重要な役割を果たしている。ウィルスのような病原微生物が侵入する際には、このような常在微生物叢が構成する微小環境を通り抜けて、粘膜組織から侵入することになる。 粘膜組織から感染するウィルスの中でも、単純ヘルペスウィルス (Herpes simplex virus) は、粘膜組織でウィルスが複製後、粘膜組織の神経末端を介して神経組織へと侵入する神経向性ウィルスとして知られている。そこで、このような神経向性ウィルス感染に対する粘膜組織微生物群の役割を明らかにするためには、まず神経向性ウィルスが粘膜組織に感染後、どのような免疫担当細胞が集積するのか、さらには集積した免疫担当細胞がどのようにしてウィルス複製を抑制するのか明らかにする必要がある。そこで、神経向性ウィルス感染後の粘膜組織における生体防御機構に着目し、ウィルスを排除するメカニズムを明らかにすることを目的とした。 今回、粘膜組織における B 細胞応答を解析したところ、神経向性ウィルスに一度感染したマウスや未感染マウスの膣粘膜組織では抗体を産生できる形質細胞はごくわずかであった。同様に、粘膜組織内腔に分泌される抗体の量も低容量であった。一方で、神経向性ウィルスを膣粘膜組織に再感染後させると、再感染後1日で血中から移行するメモリーB 細胞の数が著しく増大することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経向性ウィルスが感染後にどのような免疫担当細胞が集積するのか、集積した免疫担当細胞がどのようにしてウィルス複製を抑制するのか明らかにする目的で、粘膜組織に集積する免疫担当細胞群を詳細に解析したところ、神経向性ウィルスに一度感染したマウスでは、未感染マウスと比較して、ウィルス再感染後にメモリーB 細胞の数が著しく増大することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、メモリーB 細胞が粘膜組織に流入するためには、どのような因子が関与しているのか、宿主の粘膜組織の環境(粘膜組織微生物群、接着分子およびケモカインなど)に着目して、詳細を明らかにする予定である。
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[Journal Article] Immunological association of inducible bronchus-associated lymphoid tissue organogenesis in Ag85B-rHPIV2 vaccine-induced anti-tuberculosis mucosal immune responses in mice.2018
Author(s)
Nagatake T, Suzuki H, Hirata SI, Matsumoto N, Wada Y, Morimoto S, Nasu A, Shimojou M, Kawano M, Ogami K, Tsujimura Y, Kuroda E, Iijima N, Hosomi K, Ishii KJ, Nosaka T, Yasutomi Y, Kunisawa J.
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Journal Title
International immunology
Volume: 30
Pages: 471-481
DOI
Peer Reviewed
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