2019 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪肝炎における肝再生機能不全の解明と統合的治療法の開発
Project/Area Number |
18H02871
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
島田 光生 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10216070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 明由 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (00572405)
常山 幸一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10293341)
池本 哲也 徳島大学, 病院, 特任准教授 (20398019)
安友 康二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (30333511)
濱田 康弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (30397830)
齋藤 裕 徳島大学, 病院, 特任助教 (50548675)
片桐 豊雅 徳島大学, 先端酵素学研究所(プロテオ), 教授 (60291895)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
居村 暁 徳島大学, 病院, 特任教授 (90380021)
親泊 政一 徳島大学, 先端酵素学研究所(プロテオ), 教授 (90502534)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝不全 / NASH / NAFLD / 肝再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、NASH肝切除後・マージナル部分肝移植後再生機能不全のメカニズムの解明とともに、統合的治療戦略を確立するものである。 1)NASH・NAFLDの肝切除後肝再生への影響:C57BL/6雄性マウスをcontrol、NAFLD(高脂肪食:10週)、NASH(高脂肪・高コレステロール食・コール酸:16週)の3群に分け、70%肝切除を施行したところ、NASH群のみ術後残肝再生率が有意に低値のままであった。 2)NASH制御法の検討:TSODマウス(2型DMモデルで6ヶ月にNASH発症、12ヶ月以降に100%肝腫瘍発生)に生後7wからTU100(MFD・TU100:2.7%混餌)投与したところ、個体差はあるが6ヶ月後NASH発症を抑制し(肝内脂肪変性・炎症・ballooning)した。また肝内炎症性サイトカイン(IL-6・IL-1β)も有意に抑制した。 さらにTU100投与により腸内細菌叢における短鎖脂肪酸産生職制菌genus Blautia増加(遺伝子Methylationとも相関)・(steatosis改善)で増加するgenus Dorea減少(炎症性腸疾患でも増加)が確認され、NASH制御の可能性が示唆された。 3) 肥満手術のNASH・NAFLDへの効果:肥満・糖尿病ラットへのDuodeno-jejunal bypass導入により、腸内細菌叢変化や、インスリン抵抗性改善・NASH改善を認めるとともに腸管バリア機能(claudin-1)が維持された。ヒトsleeve胃切除(肥満手術・手術時NASH)でも術後AST/ ALT、FIB4index、肝/脾比は改善された。 4)肝細胞様細胞分化の試み:我々の2D・3D分化プロトコールにより培養11日目にはADSCからアルブミン産生細胞の作成に成功した。また3D培養では2D培養と比較してCYP3A4活性やアンモニア代謝能が有意に上昇していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NASH/NAFLDにおける検討から、NASH肝切除後肝再生遅延とともに、NASHにおける肝steatosis・線維化制御・炎症性サイトカインの制御に関する新たな知見を得た。障害肝の病態に関して、肝内だけでなく肝外臓器環境の制御が有用である可能性を示すとともに、ひいてはそれらが全身状態の改善にも寄与することが示唆されている。さらに、細胞治療の可能性についてもADSCからの2D・3D培養ともに肝細胞様細胞分化に成功しており、今後、自己細胞治療の応用へ向けて検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度までの結果に加えて、NASH肝切除術後肝再生遅延のメカニズムの詳細を解明するとともに、NASH/NAFLD制御に関する検討を肝内・肝外の病態ともに着目して、各種薬剤・LED照射について進める。またADSCからの肝構成細胞分化研究も進め、3D培養によるオルガネラ作成・自己移植治療も展開し、統合的治療戦略の確立を目指す予定である。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] Insulin-producing cell(IPC)分化成熟と亜鉛イオン濃度相関に関する研究2019
Author(s)
太田昇吾, 島田光生, 池本哲也, 森根裕二, 居村暁, 岩橋衆一, 齋藤裕, 山田眞一郎, 和田佑馬, 良元俊昭, 岩橋祥子
Organizer
第119回日本外科学会定期学術集会
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