2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell therapy for patients with tumors utilizing allogeneic stealth T cells
Project/Area Number |
18H02872
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 裕明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40374673)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞療法 / 遺伝子治療 / がん / 移植 / 非自己細胞 / TCR / MHC |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までのT細胞輸注療法が患者自身の細胞の利用に限られ、多くの患者にタイムリーに均質な治療を提供することを阻んでいる問題点に鑑み、申請者らは輸注T 細胞の内因性TCR発現や MHC発現を抑制し、非自己のT細胞を利用可能とする技術の開発を進めてきた。本研究ではこれまでの研究を発展させ、T細胞のみならずNK 細胞等も含めた宿主の各種免疫ネットワークからの攻撃を回避する高度な「ステルスT細胞」の開発を進め、腫瘍に対するT細胞療法の汎用化に資することを目指 す。またこの技術をT細胞以外の細胞種にも拡大し、移植治療の際に宿主の免疫ネットワークに認識されない「ステルス細胞」作成技術を開発し、免疫抑制剤に頼 らない次世代の移植医療の開発を目指す。 2019年度には以下の研究実績が達成された。 1. 高効率のHLA-E発現レトロウイルスを作成し発現効率を向上した。 2. ヒトNK活性の測定系を樹立し、NK細胞が自己の末梢血リンパ球は障害せず同種の末梢血リンパ球を障害することを示した。 3. ベータ2ミクログロブリンに対するCRISPR/Cas9システムを用いMHC class I発現を欠損させたヒトリンパ球を作成することに成功した。NK細胞が自己の末梢血リンパ球であってもMHC class I発現を欠損するとNK細胞に障害されることを示した。 4. CRISPR/Cas9システムを用いてMHC class I発現を欠損させた後にHLA-Eを強発現させたヒト末梢血リンパ球を作成した。すると非自己のNK細胞による細胞障害性に対して抵抗性を示すことを確認した。以上より、MHC class Iの発現欠損とHLA-Eの強制発現を組み合わせることによりT細胞のみならずNK 細胞等も含めた宿主の各種免疫ネットワークからの攻撃を回避する高度な「ステルスT細胞」となることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MHC class I分子の消失に伴うNK細胞による障害性の上昇を、NK細胞の抑制性受容体のリガンドであるHLA-E分子の強制発現により抑制可能となることが明らかとなっている。これにより目標としている「ステルスT細胞」の作成に向けて大きく前進した。
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Strategy for Future Research Activity |
MHC class I分子の消失とHLA-E分子の強制発現により作成した「ステルスT細胞」に腫瘍特異的T細胞レセプターを発現させる。これにより、非自己細胞を用いてGVHDと拒絶を抑えた腫瘍特異的T細胞輸注療法が可能になることをin vitro、in vivo 双方の系で検証してゆく予定である。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] First-in-human phase I clinical trial of the NY-ESO-1 protein cancer vaccine with NOD2 and TLR9 stimulants in patients with NY-ESO-1-expressing refractory solid tumors.2020
Author(s)
Ishihara M, Tono Y, Miyahara Y, Muraoka D, Harada N, Kageyama S, Sasaki T, Hori Y, Soga N, Uchida K, Shiraishi T, Sato E, Kanda H, Mizuno T, Webster GA, Ikeda H, Katayama N, Sugimura Y, Shiku H.
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Journal Title
Cancer Immunology, Immunotherapy
Volume: 69
Pages: 663-675
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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