2020 Fiscal Year Annual Research Report
Proteome analysis for neuronal protection by hydrogen sulfide
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18H02890
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
垣花 学 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20274897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神里 興太 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10554454)
野口 信弘 琉球大学, 病院, 助教 (80457671)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脊髄虚血 / 硫化水素 / 遅発性対麻痺 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
独自に開発したマウス脊髄虚血後遅発性対麻痺モデルを用い、硫化水素ガス吸入療法による神経障害抑制効果を見出したことを契機に、さらに研究を進めたところ低体温との併用により硫化水素ガス吸入による神経保護効果が消失することが明らかとなった。2020年度の申請研究では、硫化水素ガス吸入療法による神経保護効果を発揮する候補タンパク分子をプロテオーム解析を用いて検出し、候補タンパク分子の発現をPCRで確認し、脊髄における発現を免疫組織染色で確認することを目的とした。イソフルラン麻酔下に気管挿管し人工呼吸にて管理した。その後、胸骨部分正中切開下に大動脈弓部をクリップにて遮断し脊髄虚血とした。マウスに5分間の脊髄虚血侵襲を与え麻酔から覚醒させた。脊髄虚血24時間後に硫化水素ガス80ppmを4時間吸入させた。C群では低体温(25度)とH群では常温(35.5~36.2度)とした。C郡では、硫化水素ガス吸入中の室温を25度とし、H群では加温装置により硫化水素ガス吸入環境を33度で維持した。6分間虚血後に24時間以内で全てのマウスが歩行可能であった(BBBスコア3点以下)。硫化水素ガス吸入2時間後にペントバルビタールによる深麻酔下に犠殺し脊髄膨大部を摘出した。摘出した脊髄をホモジナイズし遠心分離後上清を-80℃で保存した。また、免疫組織学的検討を目的として、犠殺後に4%パラフォルムアルデヒドで潅流しその後脊髄膨大部を摘出し、パラフィン切片を作成した。プロテオーム解析により候補タンパク分子として検出できたPeroxiredoxin6とmercaptopyruvate sulfurtransferaseについてPCRした結果、両タンパク分子ともにmRNAの発現が増加していた。また、免疫組織学的検討ではPeroxiredoxin6が脊髄前角に発現が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね計画は進められたが、免疫組織学的検討によりどの細胞にPeroxiredoxin6が発現しているかという検討ができなかった(新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言による研究施設の使用禁止などにより予定通り研究を進めることができなかった)。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は多重免疫染色によるPeroxiredoxin6の局在細胞の検出ならびに培養神経細胞を用い硫化水素ドナーによるPeroxiredoxin6発現について確認する。
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