2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism and therapy for immune suppression caused by severe infection and / or surgery.
Project/Area Number |
18H02896
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 寛治 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60302709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 芳嗣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30166748)
比留間 孝広 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40572277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 敗血症 / 貪食能 / Innate immunity / GM-CSF / IFN-beta / 免疫抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
6-8週齢オスC57/Bl6マウスを用いた18Gでの重症CLPモデル(mCLP)では、生存率が25%程度であったが、12時間後にIFNbetaを皮下注射したグループ(tIFNb)は52.9%, P=0.017と有意に改善した。一方CLPに先立ってIFN-βを投与したグループ(pIFNb)は生存率4.1%と有意に悪化した。腹腔内の細胞数は22Gでの中等症CLPモデル(mCLP)とsCLPで有意差はなかったが、腹腔マクロファージの貪食能をmCLPモデルと比較すると、蛍光ラベルされた大腸菌の死菌の貪食能力がsCLPはmCLPの1/10に低下していた。tIFNbは改善傾向を示した一方でpIFNbでは全く上昇せず、tIFNbとpIFNbの群間では有意差が認められた(p=0.0204)。 腹腔内、血清中の炎症性サイトカインもsCLPと比較して、sCLP-tIFNbでは改善傾向を認め、血清中MCP-1, TNF-αは有意差を認めた。腹腔マクロファージを用いたin vitroの検討で、IFNβは細胞内で抑制性シグナルが有意になっている状態の細胞に、炎症性サイトカインシグナルを復活させ、生体防御能を再発現させる可能性が考えられた。これらの内容をまとめて、Anesthesiology雑誌に発表した。またAmerican Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology誌に投稿、採択された。 同じくマウスを用いて、mCLPモデルを作成し、肺胞マクロファージの機能を解析した。CLP3日後に経気管的にGM-CSFを投与したところ、4日後の肺胞マクロファージ貪食能は、容量依存的に上昇した。さらに、採取したマクロファージをLPSで刺激したところ、炎症性サイトカイン分泌がCLP後に低下していたが、GM-CSFを経気管投与群はコントロールと同程度へ復活した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
貪食能測定用の光学機械が故障したため、修理中に実験が一時ストップした。回盲部結紮穿孔モデルは作成したが、腸管の虚血再灌流モデルは作成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
肺内における貪食細胞(単球、好中球)の動体をより詳細に検討し、敗血症の影響およびインターフェロンやGM-CSFの効果を確認する。敗血症時の肺の免疫能を示唆するバイオマーカーを同定し、海外の共同研究者らと議論する。さらに、腸管虚血再灌流モデルの作成に取り組む予定である。
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