2018 Fiscal Year Annual Research Report
The kinetics of autophagy following septic insults from metabolomics analyses - Exploration of novel biomarkers on sepsis -
Project/Area Number |
18H02901
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡邉 栄三 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (40375639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
伊藤 千鶴 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80347054)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 敗血症 / オートファジー / メタボローム解析 / バイオマーカー / 盲腸結紮穿孔 / 腹膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症患者において,血漿を用いて経日的(ICU入室日)にメタボローム解析を行い,後方視的に重症度,転帰,起因病原体などで層別化解析を行った.敗血症診断はsepsis-3の診断基準(Singer M, et al. JAMA 2016)に基づいて行った.敗血症動物モデルとしてのマウス盲腸結紮穿孔腹膜炎;CLPモデルとの類似性を勘案し,感染源は腹腔内に限定して症例集積した(n=10,術直後検体).そして敗血症発症時期やAPACHEⅡスコアに基づく重症度などの臨床情報を,データベースを構築して記録管理した.対照には非感染性の開腹患者として,腸閉塞などの非腸管穿孔の緊急開腹患者(n=7,術直後検体)を置いた.そして,臨床経過に影響を及ぼすような変動が見られる代謝産物を多変量解析で抽出し,オートファジー機構との関連を検討中である.ヒト血漿を用いたメタボローム/脂質網羅解析のデータを,pathway解析,主成分解析などの手法も導入し,多方面から解析中である. 一方,敗血症マウスにおけるメタボローム解析に関しては,CLP手術の手技に習熟した.そして,時期特異的・肝細胞特異的にオートファジーを欠損させた,Alb-CreERT2/Atg5f/fマウスの凍結胚移植による作成に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敗血症動物モデルにおける肝オートファジーの解析に際しては,時期特異的・肝細胞特異的にオートファジーを欠損させたAlb-CreERT2/Atg5f/fマウスが必要不可欠である.その遺伝子ノックアウトマウスによる実験を開始しようとしたところ,当初の想定に比し,出生率の低下が判明した。凍結胚移植によるマウスの作製においては、凍結胚の状態やマウスの系統により大きく出生率が異なる(0~70%)ことが一般に知られていることから,当初の計画段階で個体作成に要する期間を厳密に予期することは困難であった.したがって,個体作成をやり直して十分な数のマウスを確保するために凍結胚の調達からの個体作成に期間が必要であり,研究計画に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
敗血症マウスにおけるメタボローム解析(肝・血漿)を行う. Ⅰ-1) C57BL/6J 野生型マウスのCLP(敗血症)とsham単開腹手術モデル(非敗血症)を術後8時間および24時間で比較し,包括的代謝プロファイリングを行う (各群n=4~5).CLPは,23ゲージ針で盲腸を2回穿刺することとする. Ⅰ-2) 時期特異的・肝細胞特異的にオートファジーを欠損させたAlb-CreERT2/Atg5f/fマウスにCLPを施行し,C57BL/6J 野生型のCLP施行マウスと比較し,敗血症刺激で変動するオートファジー関連代謝物を導出すべく包括的代謝プロファイリングを行う(各群n=4~5).以上より敗血症におけるオートファジー制御機構について,代謝プロファイリングより明らかにし,敗血症バイオマーカーとしての候補物質を同定する.血漿のメタボローム解析データについては,ヒト敗血症と野生型マウスCLPで,共通に変動しているものを同定する. 一方,マウスモデルの肝,リンパ球のオートファジー評価に関しては,LC-3/LAMP1染色による免疫組織染色と電子顕微鏡所見を合わせて確認する.
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