2018 Fiscal Year Annual Research Report
独自多重的アプローチでグリオーマ幹細胞完全攻略を狙う新規治療戦略開発研究
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18H02908
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北中 千史 山形大学, 医学部, 教授 (70260320)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経膠芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん幹細胞は一般に非がん幹細胞と比べて高度な細胞死耐性をもつと考えられているが、最近申請者らは予想外の結果をキッカケに分化グリオーマ細胞(=非がん幹細胞)や正常細胞に影響せずグリオーマ幹細胞のみを選択的に殺傷する薬剤を立て続けに発見し、グリオーマ幹細胞の「特異的脆弱性」すなわちアキレス腱の存在に光をあてた。また、申請者らはこれまでにヒトへの応用が可能なグリオーマ幹細胞分化誘導薬の開発に相次いで成功しているが、分化誘導薬にグリオーマ幹細胞殺傷薬を組み合わせる治療戦略が相乗的な幹細胞治療効果を生み出す可能性については世界的にも検討されたことはない。そこで本研究ではグリオーマ幹細胞特異的脆弱性のさらなる解明を通じて「グリオーマ幹細胞特異的脆弱性を標的とする殺傷薬」を新規開発し、これらと分化誘導薬を組み合わせる多重的アプローチに基づく新規治療戦略の有効性を世界に先駆けて実証・提唱することを目標に平成30年度より研究を開始した。 平成30年度は主にグリオーマ幹細胞特異的脆弱性としてのミトコンドリア呼吸鎖依存性に着目して研究を進めたところ、ミトコンドリアDNA(mtDNA)にコードされる呼吸鎖構成タンパクの発現が選択的にグリオーマ幹細胞で高まっていることに加え、グリオーマ幹細胞の生存が呼吸鎖依存的に維持されている可能性を観察した。そこで薬剤ライブラリーからミトコンドリア呼吸鎖機能阻害活性が期待できる薬剤のスクリーニングを行った結果、正常細胞や分化グリオーマ細胞には低毒性の条件下でグリオーマ幹細胞に高度な細胞死を誘導する薬剤を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間前半の主目的である、グリオーマ幹細胞選択的殺傷薬の候補を見出すことに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回見出した薬剤のin vitro characterizationを進めるとともに、特にin vivoでのグリオーマ幹細胞治療効果につき検討を行う。
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