2020 Fiscal Year Annual Research Report
感情認識における心理・神経基盤解明:脳神経外科学・認知神経科学の融合
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18H02911
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Higashinagoya National Hospital |
Principal Investigator |
若林 俊彦 独立行政法人国立病院機構東名古屋病院(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構東名古屋病院(臨床研究部), 院外研究員 (50220835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 和也 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30467295)
寺澤 悠理 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (30585790)
梅田 聡 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (90317272)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 島回 / 覚醒下手術 / 感情認識 / 内受容感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度では、最適な条件の表情認識課題、心拍検出課題を用いて、島回およびその近傍に存在する脳腫瘍に対して覚醒下摘出術が予定されている患者に表情認識課題および心拍検出課題を施行し、データを蓄積しており、症例データの収集は順調である。令和2年度では、覚醒下手術施行数が年間約30例あり、その中で島回およびその近傍に存在する脳腫瘍症例は4例認めた。 表情認識課題では、各顔画像に対する正解(怒り・喜び・悲しみ・嫌悪・感情なし)が定められている。各画像に対して、各患者に患者から得られた反応が正解とどの程度一致するのかを算出し、この成績をt検定によって健常群のパフォーマンスと比較した。また集団解析に耐える等質な症例が十分に得られた場合には、術前・術中・術後の各ポイントで得られたデータを用いて分散分析を使用し、健常群との比較を実施した。覚醒下手術時に得られたデータついては、刺激部位を要因とした分散分析を実施し、課題のパフォーマンスに及ぼす刺激部位の機能を検討している。手術部位と各課題の成績の関連性の複合的な検討には、回帰分析の使用を検討している。 蓄積された感情の反応と刺激部位と関連脳部位との関係を解析するために、医用画像解析プログラム Analyze 11.0を使用している。さらに術前の島回とその周囲の部位、皮質下線維との関係をDTI fiber tractographyを描き視覚化した。さらに術後島回腫瘍摘出後の腫瘍体積の定量化も行っている。さらに刺激部位と残存腫瘍の関係、感情認識課題の結果を統合させてVoxel-based lesion-symptom mappingを行い、解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究データの収集が順調に進行しており、解析も順調であるから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらなる症例を蓄積し、島回およびその近傍に存在する脳腫瘍に対して覚醒下摘出術が予定されている患者に表情認識課題および心拍検出課題を施行し、データを蓄積していく。表情認識課題と心拍検出課題のパフォーマンス(内受容感覚の鋭敏さ)、さらに手術部位との関係性を統計学的解析にて検討することで、島回腫瘍患者における感情の中枢神経基盤・メカニズムを解明していくこととする。
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Research Products
(4 results)