2019 Fiscal Year Annual Research Report
感覚神経-骨細胞ネットワークから解き明かす骨のメカニカルストレス応答機構
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18H02921
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
越智 広樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座助教 (30582283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 信吾 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40462220)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 組織透明化 / 神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感覚神経-骨細胞ネットワーク着目し、その生理的意義を明らかにすることで、メカニカルストレス受容機構とそれに応答する骨代謝調節機構を解明することである。平成31年度は、平成30年度の研究を継続して実施するとともに、新たに以下の研究を行った。まず、メカニカルストレスの変化が、骨組織内の神経に及ぼす影響を検討した。神経を蛍光ラベルしたマウスを用いて、尾懸垂を実施し、骨組織内の神経を、透明化技術を用いて観察したところ、尾懸垂により骨内の神経が顕著に変化することを確認した。加えて、神経と骨細胞を1個体で蛍光ラベルしたマウスを作出し、本マウスを用いて、神経と骨細胞の関係性を観察した。さらに、尾懸垂を行ったマウスから骨細胞を単離し、網羅的遺伝子発現解析を実施した。 次に、昨年度作成した骨細胞特異的遺伝子欠損マウスについて詳細な解析を実施した。本マウスは、骨形成の増加を介した骨量の増加を示した。加えて、本マウスに対して、尾懸垂を実施した結果、野生型マウスで認められる骨量減少が認められなかった。次いで、骨細胞特異的遺伝子欠損マウスの骨細胞における標的遺伝子を同定するために、網羅的遺伝子発現解析を実施した。また、in vitroにおける細胞培養系において、遺伝子をノックダウンした際の骨細胞分化に及ぼす影響を検討した。 また、神経の活性化が骨のメカニカルストレス応答に及ぼす影響を検討するために、DREADDシステムを用いて解析すべく、神経特異的hM3Dq発現マウスの作出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの作出ならびに遺伝子の網羅的発現解析の実施など、当初の予定どおり概ね進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的遺伝子解析の結果から、標的遺伝子を同定するとともに、これらの遺伝子の機能をin vitroに置いて観察する。また、メカニカルストレス受容における神経の役割DREADDシステムを用いて検討する。
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