2019 Fiscal Year Annual Research Report
大規模コホートによる家系ゲノム情報を用いた妊娠高血圧腎症の遺伝学的原因究明
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18H02941
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 準一 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60280880)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧腎症 / 妊娠高血圧症候群 / ゲノム / コホート / ゲノムワイド関連解析 / メタボローム情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧腎症(PE: Preeclampsia)は、遺伝・環境因子が複雑に関与する多因子疾患であるが、いまだ明確な原因は不明である 。我が国においては、本疾患に関連する大規模なゲノムワイド関連解析 (GWAS: Genome Wide Association Study) の報告はなく、遺伝的要因の究明が求められている。本研究は、東北メディカル・メガバンク機構が推進する世界的にもユニークな大規模出生三世代コホートの検体を用い、日本人の ゲノム解析に最適化されたジャポニカアレイによる、妊産婦(母)・父・児のゲノムワイド関連解析を行う。具体的には、これまで報告された疾患感受性遺伝子変異の日本人PEにおける妥当性の検証を行い、さらに新規のゲノム変異の探索を行う。加えて 、これらのゲノム変異情報に、疾患に有意に関連する疫学的要因等を加えることで、超高次元疾患発症予測式の構築を目指す。 2019年度は、東北メディカル・メガバンク機構三世代コホートに登録された解析対象の調査票情報、臨床情報、検査情報について、機械学習を用いたエラー値の検出などを適応しデータクリーニングを完了した。また、日本妊娠高血圧学会による診断分類に基づいたアルゴリズムを独自に開発し、三世代コホートの大規模データに応用することで、妊娠高血圧、妊娠高血圧腎症、加重型妊娠高血圧腎症等の病型分類を完了し、分類の妥当性を検証した。加えて、解析対象である症例及び対照の妊婦・夫・児のトリオの選択及び抽出を完了した。並行して解析対象のジャポニカアレイを実施し解析データを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析対象の調査票情報、臨床情報、検査情報について、機械学習を用いたエラー値の検出などを適応しデータクリーニングを完了し、妊娠高血圧、妊娠高血圧腎症、加重型妊娠高血圧腎症等の病型分類を完了し、分類の妥当性を検証した。加えて、解析対象である症例及び対照の妊婦・夫・児のトリオの選択及び抽出を完了し、解析対象のジャポニカアレイを実施し解析データを取得したため、当初の計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに進捗しているため、今後はさらに環境要因としてメタボローム解析情報を追加し、遺伝環境相互作用解析を推進する。
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