2018 Fiscal Year Annual Research Report
培養上清中の胚由来物質とヒト胚発育動態:移植胚選択の新規バイオマーカーの開発
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18H02942
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
寺田 幸弘 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10260431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 弘光 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (60598019)
高橋 和政 秋田大学, 医学部附属病院, 技術系スタッフ (60791910)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 体外受精 / バイオマーカー / NGS / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を構成する「連続観察による凍結融解胚盤胞の経時的発生状況」および「胚盤胞の細胞構成とその細胞数」については、一定の成果を得ることができ、その結果をH30年度に国際誌に発表を行った(Iwasawa, Takahashi, Terada PloS ONE 2019)。さらに他の検討対象である「胚構成細胞の染色体数的異常と胚全体におけるその比率」についての検討を、受世代シーケンサー(NGS)を使用して進め、現在行われている栄養外胚葉細胞の生検で得られる結果と胚全体から得られた結果との間におよそ30%の不一致が認められ、必ずしも胚全体の染色体の状態を反映しないといった結果を得、東北生殖医学会(2018)および、日本産婦人科学会大会(2019)において発表を行ない、今後、生殖医療において行われるであろう胚の着床前診断・検査については慎重であるべきであるとのエビデンスを提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの検討により胚の評価について、より深く追及すべき胚の動的挙動・構成細胞数の正確な測定・構成細胞の染色体の状態およびそれらの関連性について興味深い知見が得られ、それらは国際誌に掲載された他、学会においても高い評価を受けた。またこれらの知見は本研究における最終的な目的であるバイオマーカー探索に必要不可欠なものであり、バイオマーカー追及のストラテジーの構築が大きく進展したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオマーカー候補物質を選定するため、ヒト胚を融解し培養する。それぞれの胚は個別培養下でタイムラプス画像が記録される。培養後、一部の胚についてはVeriSeqキットを用いたNGSによる核型解析を行い、異数性の有無、トリソミー、モノソミー、モザイクについて解析する。さらに残りの胚については免疫染色によりadherence junction関連タンパク質、tight junction関連タンパク質およびgap junction関連タンパク質、さらに胞胚腔の形成に重要な役割をはたすNa+/K+-ATPaseに特に注目し、その発現動態を蛍光免疫染色法用いて可視化する。また培養上清に関しては、タンパク質・miRNA解析に供するため保管する。
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Research Products
(13 results)