2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the Significance of Skin Circadian Rhythm Formation by Light
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18H02961
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 正 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (30529566)
榊原 俊介 神戸大学, 医学研究科, 客員准教授 (50444592)
橋川 和信 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (90403237)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光生物学 / 皮膚 / 光受容 / 生体時計 / メラノプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においてはヒト由来の細胞(線維芽細胞、ケラチノサイト、メラノサイト)を用いて実験を行う。生体時計の振幅は時計遺伝子の一つであるBmal1を用いたリアルタイムルシフェラーゼアッセイにより行うことと設定した。 まず、ヒトBmal1プロモーターを組み込んだルシフェラーゼ発現ベクターを入手した。本コンストラクトには全長のhuman Bmal1 promoterが組み込まれている。大腸菌内で本プラスミドを増幅・回収し、エンドトキシンを除去後、トランスフェクション試薬に混じたのち、これを培養線維芽細胞に導入した。導入効率の決定にはルミノメーターを用いたエンドポイントアッセイを利用した。これにより最適なプラスミド:試薬比を求めた。プラスミドベクターが効率よく導入されていることを確認後、リアルタイムルシフェラーゼアッセイを行うこととした。本アッセイでは細胞を培養下で発光量を定量化することでルシフェラーゼの発現量を定量化する。 35mm径のガラスボトムディッシュに線維芽細胞を播種し、およそ70%のコンフルエントまで培養したのち、プラスミドベクターを導入した。2日培養を行なったのち、培地を交換し、さらに5日の培養をおこなったのちに 1) 何も刺激を加えない(対照試験)2) デキサメタゾンを添加 3) 480nm光を照射 の3群の試験を行なった。その結果、1)においても約1週間経過後もリズムを認めた。なお、2) 3)のいずれもリズム形成を認めた。これらが刻むリズムはおよそ22時間の振幅であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ルシフェラーゼアッセイ(ライブアッセイ・エンドポイントアッセイ)のいずれの実験系もおよそ確立することができたため、概ね当初の計画通りと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究により、ヒト皮膚線維芽細胞においてルシフェラーゼを用いたサーカディアンリズムの形成が確認された。一方で、ネガティブコントロール実験においても1週間を経てもリズムが形成されていることが確認された。当初、過去の報告では5日程度でリズムが消失するとの知見から、5日後に再度刺激を加えることでリズムの再形成を促す予定であったが、実際にリズムが消失しないのであればフェーズシフトを利用する必要がある。このため、リズム形成のタイミングを非刺激実験をさらに重ねて検討する必要があり、その結果を持って実際にリズムが形成されないのであればBmal1の発現量がピークを超えたのち下降曲線を形成している途中で再度刺激を加えてphaseが変化するのか否かを検討する必要が出てきた。 本年度はこれらの検証を行うべく、線維芽細胞を中心にネガティブコントロールを重ね、リズム変動の変化およびフェーズの解析を中心に行う予定である。
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