2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study on bioactive ceramic biomaterials
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18H02981
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱井 瞭 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00824004)
穴田 貴久 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (30398466)
川井 忠 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50547263)
井樋 栄二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80193465)
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (90329475)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生体活性 / リン酸カルシウム / 骨芽細胞 / 骨補填材 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨伝導と骨誘導の間でよりバイオアクティブな人工骨補填材料を開発することを目的として,骨補填材の構成成分とは異なる成分(高分子成分)が存在する環境下でリン酸八カルシウムを水溶液中で湿式合成した.対照として水溶液液中で合成した純粋なリン酸八カルシウムを合成した.高分子としてgelatinを用いた.この2種類の材料について結晶性状の比較を分光学的に検討した.さらに,対照材料(水溶液中合成)については骨欠損における早期反応として血管新生と骨形成の関連性を調べた.2つのリン酸八カルシウムをトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸緩衝液に経時的に浸漬し,X線光電子分光法により解析したところ,Pに関するXPSスペクトルが浸漬による結晶の性状変化と関連することが示唆された(日本歯科理工学会第74回春期学術講演会,2019年10月,長崎).また,ラット頭蓋冠骨欠損モデルを用いて血管造影法を組み合わせることで,対照材料リン酸八カルシウム(galatinとの複合体)の骨形成および血管新生を評価した.Gelatin単独と比較してその複合体は,骨形成および血管新生を促進した.材料の埋入早期における血管新生が促進されることがわかった.リン酸八カルシウムは培養細胞(HUVEC)の活性化に寄与し,その活性化には最適な用量があることが示されたことから(第41回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会,2020年2月,仙台),材料の性状と生体親和性に関連性があることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第三成分の共存下で生成されるリン酸カルシウムの物質としての性状の違いについて,超微形態的,分光学的,結晶学的に情報が収集でき,生体応答解析への準備が整いつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
Gelatinの共存あるいは非共存下で粒子形態と化学量論性の異なるリン酸八カルシウムを湿式合成し,トリス塩酸緩衝液に浸漬して一定期間維持した後,結晶を回収して溶液上清のイオン濃度を決定する.また,結晶の透過型電子顕微鏡観察と制限視野電子線回折,さらに,高分解能透過型電子顕微鏡による観察を試みる.加えてX線回折,ラマン分光によるフィッティング解析を実施し,結晶性状の純度を特定する.その上で,血清タンパク質をモデルとして吸着特性を生体親和性の指標として同定する.上述の材料の物理化学的性質,生体親和性と先に検討した骨再生能との相関性を考察し,骨誘導性を示すと考えられる材料の設計指針を取り纏める.
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Research Products
(9 results)