2019 Fiscal Year Annual Research Report
神経・骨連関による頭蓋顎顔面領域の成熟機能骨・再生機構の解明
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18H02983
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飯村 忠浩 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20282775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼野 利佳 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30462716)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨リモデリング / 神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、三叉神経をはじめとする感覚神経による成熟機能骨の再生調節機構を明らかにすることを目的にしている。本年度の進捗として、慢性骨格痛による痛覚過敏モデルとして骨粗鬆症モデルラットを用い、骨粗鬆症治療薬であるPTH製剤による骨格痛軽減作を論文として報告した(Tanaka T, et al., Sci Rep. 2020 Mar 24;10(1):5346.)。この研究において、疼痛を軽減する作用は、骨の量を増やす作用よりも早く現れることから、痛みを伝える一次感覚神経に注目して詳細に調べた。その結果、感覚神経細胞にPTHの受容体があること、PTHが作用することにより、神経栄養因子等の発現変動が生じることを明らかにした。PTHは、血中カルシウム量を調節するホルモンで 、骨や腎臓を標的とすることがよく知られていたが、神経系にも作用することを発見した。また,この研究では、痛みを脳に伝えるための脊髄後角のミクログリアにも変化が現れることを明らかにし、中枢作用との関連が示唆された。 本成果と関連するデータにおいて、骨の代謝調節に関わることが予想される分子群が感覚神経系において発現していることが明らかとなり、これらの機能解析が今後重要になると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の大学・研究室の移動、移動後の施設改築による学内での研究室の移動、COVID-19が重なり、研究の進捗はやや遅れている。しかしながら、本研究に おける当初の目的の一部は、論文として発表でき、確実な進捗を示していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、三叉神経をはじめとする感覚神経による成熟機能骨の再生調節機構を明らかにすることを目的にしている。三叉神経節および腰部脊髄後根神経節における遺伝子発現を三叉神経節および腰部脊髄後根神経節における遺伝子発現をトランスクリプトーム解析し、機能評価を進め、当初の研究到達目標に向けて研究を遂行する。
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