2018 Fiscal Year Annual Research Report
口腔がんエクソソームによるがんの転移促進機構の解明と転移制御への応用
Project/Area Number |
18H02996
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋田 京子 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (40399952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 哲也 北海道大学, 歯学研究院, 特任講師 (00451451)
菊地 奈湖 (間石奈湖) 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (00632423)
樋田 泰浩 北海道大学, 大学病院, 准教授 (30399919)
大廣 洋一 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (40301915)
大賀 則孝 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40548202)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | microRNA / エクソソーム / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
高転移性の癌細胞に特異的なエクソソームmiRANの同定:高転移性・低転移性の癌細胞の培養上清から超遠心法によりエクソソームを精製し、CD9、CD63などの膜抗原の確認を行った後、miRNAを抽出した。miRNA アレイにより転移能の異なるがん細胞エクソソームにおけるmiRNAレベルを比較し、絞り込んだmiRNAについてTaqman-qPCR 法で再現性を確認した。 高転移性がん由来エクソソームmiRNAの血管内皮への影響の解析(in vitro): 上述で絞り込まれたmiRNAを正常血管内皮細胞に導入したもの、ならびに高転移性、低転移性がんそれぞれのエクソソームを処理した正常血管内皮においてその遺伝子発現を比較する。共通して発現亢進している分子の中から、血管内皮細胞のE-selectin、ICAM1、CAM2、 VCAMなどの接着分子ならびにVE-cadherin、ZO-1などの細胞間接着分子の発現変動に注目する。さらに腫瘍血管内皮から多く分泌されていることを見出している因子(biglycan、IL6、PTX3など)の発現変動についても解析した。さらに、上記で選別されたmiRNAのmimicを正常血管内皮に導入し共通して発現量が増加するmiRNAを血管内皮形質変化責任miRNA-Xとして同定し、エクソソームmiRNA-Xによる血管内皮細胞の形質変化を解析した。miR-Xにより血管内皮のモノレイヤーに対するがん細胞の浸潤性が促進することを見出した。VE-cadherinの発現低下がその機序の一つとして見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおりすすめ、学会発表も多く、本研究成果により大学院生は受賞もしている。論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔がんや他の癌の悪性度との関連や治療経過とがん組織像、血管の成熟化との関連などを解析し、これらmiRNA-Xの診断マーカーとしての有用性を検証する。また、anti-miR-Xを核酸医薬への応用を目指し、共同研究を進める予定である。
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Research Products
(9 results)