2020 Fiscal Year Annual Research Report
構音障害の病態解明を目指す数値流体音響解析を用いた構音シミュレーション法の開発
Project/Area Number |
18H03001
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三島 克章 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60304317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 旬之 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60511730)
梅田 浩嗣 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90610618)
小池 正紘 山口大学, 医学部附属病院, 診療放射・エックス線技師長 (20770283)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 流体音響解析 / 構音のシミュレーション / 構音運動 / 構音障害 / 声道モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、器質性構音障害の病態解明を目的に、流体音響解析法を応用して、構音器官の形や動きと産生される音との関連性を正確、詳細にシミュレーションすることを目指すものである。 母音/a/のシミュレーション法の確立に引き続いて、令和2年度には子音/∫/のシミュレーションが可能となった。 /∫/発声時のCTデータから作成した声道モデルに対して、以下の解析手順にて、/∫/のシミュレーションを実施した。①ANSYS CFDを用いて、音場の計算・評価のために、流体解析(computational fluid dynamics: CFD)計算を実施して音源の特性を解析した。Ensightフォーマットの流速と密度データを出力した。②WAON aeroを用いて、音源データの計算のために、Ensightフォーマットの流速と密度データの読み取り、Lighthillテンソルの計算を実施し、周波数データを算出した。EnsightフォーマットにLighthillテンソルの周波数データを出力した。③WAONを用いて、音の伝搬の解析のためにLighthillテンソルを読み取り、音場を周波数領域で計算した。以上の解析プロセスにより、子音/∫/の周波数特性を求めることができた。 本シミュレーションの妥当性を検証するために、同一被験者からマイクロフォンを通して記録した/∫/の実音声に対して、マルチスピーチによる周波数解析にて音響スペクトルを算出し、上記シミュレーション結果と比較した。その結果、両者から類似した周波数の分布が得られ、4kHzと8kHz付近でピークを有しており、妥当性を有するシミュレーションと考えられた。さらに、厳密に妥当性を検討するために、今後、声道モデルから実体モデルを作製し、このモデルを用いて実測実験が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子音/∫/の音響シミュレーションの妥当性を検証するためにさらに実測実験が必要であることがわかり、それに必要な機器類を令和2年度には準備できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
子音/∫/の音響シミュレーションの妥当性検証のために必要な実測実験を早急に実施する。そのために必要な機器類を購入し、実験環境を整えて実施する。
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