2018 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体を標的としたシェーグレン症候群の新規治療戦略
Project/Area Number |
18H03003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
三宅 健介 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60229812)
坪井 洋人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80580505)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / Toll 様受容体 8 / 単球/マクロファージ / TNF-α |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、シェーグレン症候群(SS)におけるTLRの発現に注目し、病態形成に関わる新たなTLR関連分子の同定と機能解析を行った。 その結果、DNAマイクロアレイおよびバリデーションでは、TLR8のみがSSの唾液腺で発現が亢進していた。TLR8 は、樹状細胞、単球/マクロファージ、およびB 細胞に発現するとされ、2量体を形成し、ウイルス由来の一本鎖 RNA を認識して、自然免疫反応を引き起こすことが知られている。最近の研究では、TLR8は慢性炎症などにより蓄積した自己由来の一本鎖 RNAも認識することが明らかになっている。そこで、蛍光二重染色法を行い、TLR8の発現候補細胞の陽性率を半定量的に解析したところ、SS の口唇腺においては、単球/マクロファージ(CD68陽性細胞)が最も割合が高かった。 さらに、TLR8+ mono/MΦの機能解析を目的に、ヒト単球細胞株(U-937)にTLR8を過剰発現もしくはノックアウトさせ、TLR8 アゴニスト(R848)で刺激実験を行った。その結果から、TLR8アゴニスト刺激によりTLR8を介してTLR8+ 単球/マクロファージはTNF-αの産生が亢進することが示唆された。このTNF-αは、Th1誘導型の炎症を引き起こすことやSSにおいては唾液腺のアポトーシスに関与していることが知られている。また、TLR8が認識する一本鎖RNAは、SSの発症要因とされているウイルス感染や慢性炎症で蓄積されることやTLR8がX 染色体に優位に発現していることからも、TLR8 がSS の病態にも関与していることが推察される。 本研究の結果から、唾液腺に浸潤しているTLR8 を発現する単球/マクロファージがTLR8刺激を介してTNF-αを産生し、Th1 誘導型炎症を引き起こし、唾液腺の破壊やアポトーシスを促進させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに、in vitroの研究まで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒトTLR8トランスジェニック/マウスTLR8 ノックアウトマウスを用いてTLR8を介したSSの発症機序の解明するため、Thサブセットとの関連や表現型について検討を行い、TLR8が診断マーカーとして応用できるかを検証する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Involvement of Toll like receptor 8 in the pathogenesis of Sjogren’s syndrome2018
Author(s)
Mizuki SAKAMOTO, Masafumi MORIYAMA, Keiko OYAMA, Akihiko TANAKA, Takashi MAEHARA, Kenichi OGATA, Sachiko FURUKAWA, Miho OHTA, Masaki YAMAUCHI, Noriko ISHIGURO, Haque A. S. M. RAFIUL, Akira CHINJU, Keita MOCHIZUKI, Mayu MATSUMURA, Ryusuke MUNEMURA, Jun-Nosuke HAYASHIDA, and Seiji NAKAMURA
Organizer
The 59th Annual Congress of Korean Association of Oral and Maxillofacial Surgeons
Int'l Joint Research
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[Presentation] TLR8+CD68+ monocyte/macrophage contributes to the pathogenesis of Sjogren’s syndrome.2018
Author(s)
Mizuki SAKAMOTO, Masafumi MORIYAMA, Keiko OYAMA, Akihiko TANAKA, Takashi MAEHARA, Kenichi OGATA, Sachiko FURUKAWA, Miho OHTA, Masaki YAMAUCHI, Noriko ISHIGURO, Haque A. S. M. RAFIUL, Akira CHINJU, Keita MOCHIZUKI, Mayu MATSUMURA, Ryusuke MUNEMURA, Jun-Nosuke HAYASHIDA, and Seiji NAKAMURA
Organizer
第 66 回 国際歯科研究学会日本部会
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