2018 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織および口蓋扁桃の病態からみた慢性腎臓病に対する多角的発症メカニズムの解明
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18H03013
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50201033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20272817)
宮崎 秀夫 明倫短期大学, 歯科衛生士学科, 教授 (00157629)
杉田 典子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30313547)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口蓋扁桃 / 歯周病 / P.g.血漿抗体価 / IgA腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域疫学研究においては、新潟大学大学院医歯学総合研究科健康増進医学分野で実施されている「うおぬま地方の健康調査」メタボリックドミノ進展要因として食生活と身体活動の与える影響の解明を目的とした新潟県魚沼圏域住民/健診ベースのデータや生体試料を使用し、分析を行うこととした。2018年度、60歳代の男性で喫煙していない810人を対象にした。P.g.に対する血漿抗体価を測定し、歯周病の状態を表す指標とした。p.g.抗体価を3分位に分類した後分析を進めた。その結果、現在歯数とP.g.抗体価とはU字カーブ用の関連が認められた。同様に尿中クレアチニンや尿中尿素窒素ともU字カーブ用の関連が認められた。また、P.g.抗体価を従属変数、腎機能関連5項目を独立変数とし重回帰分析を実施したところ、クレアチニンクレアランスはP.g.抗体価と有意な関連が認められた(p=0.025)。一方、臨床疫学研究では、腎・膠原病内科、および歯周病科との打ち合わせが終了後、新潟大学の倫理審査委員会の承認を得た。その後、歯周組織および口蓋扁桃組織の細菌数の測定方法の確立を目指した。IgA腎症患者3例について口蓋扁桃組織における細菌数を測定したところ、全細菌数のうち、red complexの占める割合は0~3.47%であった。また、関連調査では、β3-adrenergic receptor genotypeと歯周病との関連をみると肥満者や喫煙経験が長い人の方がgenotypeの影響が強く出ていた。 地域疫学研究におけるP.g.抗体価とU字用カーブを示す理由についてはさらに分析を進める必要がある。また、口蓋扁桃組織におけるred complexの占める割合は0~3.47%であったことについては分析の際に周囲の口蓋扁桃の生体組織が多く含まれている可能性が考えられた。今後さらに分析方法を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域疫学研究においては、60代男性を対象としp.g.の血漿抗体価を測定し分析を開始した。一方、臨床疫学研究においては、調査計画について新潟大学の倫理審査委員会より承認をもらい、細菌分析方法の調整を開始することができた。 これらの事項は当初予定した範囲での内容であることから概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
地域疫学研究においては、まず、60歳代を対象とした分析を進めていき、特にP.g.血漿抗体価と腎臓および心臓のそれぞれの機能との関連を明らかにしていく。その後対象者を拡大し、追加のp.g.血漿抗体価を測定した後、分析を進めていく予定である。臨床疫学研究においては、歯周組織および口蓋扁桃組織の細菌数の測定方法を確立する。その後、IgA腎症に罹患している外来患者に対し歯周治療と併用し、その効果について評価していく予定である。
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Research Products
(1 results)