2019 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織および口蓋扁桃の病態からみた慢性腎臓病に対する多角的発症メカニズムの解明
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18H03013
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50201033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20272817)
宮崎 秀夫 明倫短期大学, 歯科衛生士学科, 教授 (00157629)
杉田 典子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30313547)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腎機能低下 / IgA腎症 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域疫学研究では、40歳以上の住民5,477名を解析対象とした。eGFR60 ml/min/1.73 m2未満、軽度タンパク尿、微量アルブミン尿のいずれかが検出された場合を軽度以上の腎機能低下と定義した。歯の本数は、現在歯数0~19本と20本以上の2群に分類した。5,477人中、ステージ1以上の腎機能障害と定義されたのは1,642人(30.0%)であった。現在歯数と各項目とのロジスティック回帰分析を行った。従属変数を現在歯数(0:Higher four quartiles、1:Lowest quartile)とした。腎機能低下群は無調整のオッズ比で1.76(信頼区間1.01-3.08)、BMI、HBA1c、喫煙経験、飲酒状況で調整したオッズ比で1.96(信頼区間1.09-3.55)であった。 一方、臨床疫学研究では、細菌検査の予備実験として、医学的理由により切除された口蓋扁桃の深部陰窩サンプル3例について、歯周病原細菌の検出をPCR-Invader法にて試みるとともにマイクロバイオーム解析として、16S rRNA V3/V4遺伝子のシーケンス解析を行った。その結果、PCR-Invader法ではFusobacterium nucleatumまたはTreponema denticolaのみが検出されたのに対してマイクロバイオーム解析ではPrevotella属の割合が高かった。次にコントロール群のサンプリングと細菌検査を実施した。中等度・重度歯周炎患者群3例および軽度歯周炎患者群5例の唾液および歯肉縁下プラークについて解析を行った結果、唾液、歯肉縁下プラークともにRed complexに属する歯周病原細菌が中等度・重度歯周炎群に検出された。これらの結果より、今後、IgA腎症患者についても、歯周病検査および歯肉縁下プラーク、唾液および扁桃の細菌検査を開始することが可能と思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外注先(サンスター)との打ち合わせにより、血漿抗体価の測定単価を約1/3の約1000円に値引きしてもらえることとなった。そのため、当初予定していた約1000サンプルの測定予定を約3500サンプルまで拡大することとした。一方、外注先(サンスター)において測定機器および試薬の整備が大幅に遅れてしまった。令和元年10月になって外注先(サンスター)より整備が終了した旨連絡があった。その後より事前準備を開始したので約6ヶ月遅い開始となってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
Pg抗体価の測定は終了し、本データを用いた分析を実施している。また、臨床疫学研究については新型コロナウイルス感染症の影響を受け実施が遅れているが、今後分担研究者と相談を重ね軌道に乗せられるよう努めていきたい。
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Research Products
(3 results)