2020 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織および口蓋扁桃の病態からみた慢性腎臓病に対する多角的発症メカニズムの解明
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18H03013
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50201033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20272817)
宮崎 秀夫 明倫短期大学, 歯科衛生士学科, 教授 (00157629)
杉田 典子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30313547)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯周病 / IgA腎症 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、臨床疫学研究として、IgA腎症患者127名を対象に分析を進めた。このうち歯科治療を受診したもの(歯科治療群)は39名(男性:21名、女性:18名)、歯科治療を受けなかったもの(非歯科治療群)は88名(男性:58名、女性:30名)であった。初診時の年齢は歯科治療群:33.7±13.3歳、非歯科治療群:42.6±16.3歳で歯科治療群の方が若く統計学的に有意(p=0.002)であった。歯周状態が悪い人ほど経年的にeGFRの低下量が大きい傾向が示されたが統計学的には有意ではなかった。 さらに、疫学研究を実施した。歯周病と慢性腎臓病との関連の強さには肥満程度が関与していると考えた。そこで、902名の対象者を用いて分析を行った。歯周状態のマーカーとして歯周ポケット、BOP、クリニカルアッタッチメントレベルを測定した。4mm以上の歯周ポケットおよびクリニカルアタッチメントレベルを有している歯の本数、およびBOP(+)の歯の本数を評価指標とした。また、血清中クレアチニンレベルからeGFRを算定し、60mL/min/1.73m2以下を腎機能低下群とした。またBMI25以上を肥満群と設定した。ポアソン分析を用い、肥満を考慮に入れ、歯周状態のマーカーと腎機能との関連を見た。その結果、腎機能が低下したり、肥満傾向が高くなると歯周病リスクが高くなった。しかし、交互作用項を考慮すると腎機能が低下し肥満傾向が高い場合には単純にリスクの加算より逆に低くなる可能性が示された。ある程度の肥満傾向は免疫力を高めるなどの効果が期待できる。その結果、歯周組織の悪化を押さえる方向に働くのではないかと考察した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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