2020 Fiscal Year Annual Research Report
個人内血糖変動モニタリングによる諸指標と糖尿病発症に関する地域コホート研究
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18H03050
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今野 弘規 大阪大学, 医学系研究科, 招へい准教授 (90450923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽山 実奈 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, 医員 (10731549)
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20375504)
丸山 広達 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20627096)
服部 聡 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50425154)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血糖変動 / モニタリング / 糖尿病 / 地域住民 / コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地域集団を対象として、FGM検査による個人内血糖変動の諸指標と糖尿病発症との関連を定量的に分析し、明らかにすることを目的とする。 2020年度は、2019年度までに実施した循環器疫学地域コホート(CIRCS: Circulatory Risk in Communities Study)における4地域(大阪府都市近郊Y市、秋田県農村I町、茨城県農村C市、茨城県臨海工業地域K市)の約1000人に加えて、C市で136人(男51人、女85人)、K市で117人(男37人、女80人)に対してFGM検査を実施した。 そのうち、全4地域の40-69歳の男女でHbA1c 5.0~6.4%の者1,118人(男333人、女785人、地域別では、Y市294人、I町155人、C市405人、K市264人)を分析対象とし、食後高血糖疑いの有無および血糖値スパイクの有無を目的変数、身体所見・生活習慣を説明変数として多変量ロジスティック回帰分析を行った。 その結果、食後高血糖疑い有りに対するオッズ比について、HbA1c値は男性4.3 (1.5-12.2)、女性10.7 (5.2-22.1)と男女とも有意に高かった。また、女性ではインスリン抵抗性が2.1 (1.3-3.5)、「早食い」が1.7 (1.1-2.5)、「座位5時間以上」が1.9 (1.3-2.7)と有意に高かった。一方、血糖値スパイク有りに対するオッズ比については、男性では「炭水化物を重ねて食べる」が4.0 (1.2-13.5)と有意に高く、「夕食後すぐ床に就く」が0.2 (0.1-0.6)と有意に低かった。また、女性ではHbA1c値が4.4 (1.5-12.6)、インスリン分泌能低下が3.5 (1.1-11.6)、「座位5時間以上」が1.9 (1.3-2.7)と有意に高く、1,5AG低値が0.5 (0.3-0.9)と有意に低かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、2020年度は、Y市100人、I町100人、C市100人、K市150人の計450人について、FGM検査による2週間の個人内血糖変動モニタリング検査を実施する計画であった。 しかしながら、COVID-19流行による健診(フィールド調査)の延期や中止、規模の縮小などにより、実施人数はC市の136人、K市の117人にとどまった。 一方、FGM検査を実施した対象者に対する結果返却の体制や分析に必要なデータ(個人内血糖変動の諸指標、特定健診の検査・問診、血清インスリンや1,5-anhidroglucitol (1,5AG)、食習慣・食物摂取頻度調査および身体活動量調査など)のデータセット構築は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度における研究計画は、I町50人、Y市50人に対するFGM検査実施である。コロナ禍の影響により、検査の延期・中止になる可能性がある地域もあるが、これまでの不足分を補完するための実施体制の下地作りは出来ているので、各地域での実施が決まれば、これまでと同様、特定健診、食物摂取頻度調査・身体活動調査、血清インスリン・1,5AGの測定を同様の体制で実施する。そして、FGM検査および食物摂取頻度調査・身体活動調査のデータセットの構築をさらに進め、FGM検査による血糖変動に関する諸指標と以上の調査・検査から得られるデータとの関連を分析し、今後のFGM検査による個人内血糖変動の諸指標と糖尿病発症との関連についての定量的な分析を目指す。
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Research Products
(1 results)