2019 Fiscal Year Annual Research Report
Accurate measurement of natural toxins in body fluids using deuterated standards and search of specific markers for the rapid diagnosis
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18H03064
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石井 晃 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30252175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀依 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (10266348)
林 由美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (30632707)
財津 桂 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30700546)
妹尾 洋 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50236113)
小川 匡之 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50559937)
名取 雄人 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80610104)
草野 麻衣子 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (60733574)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 法医学 / 法中毒 / 質量分析 / タンデム質量分析 / 自然毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、1) 自然毒の標準物質として、重水素交換反応を用いた同位体標識内部標準を用いたヒト体液中からの自然毒の精密・超高感度分析法を開発し、2) 最新質量分析法による自然毒中毒における代謝物探索により、未変化体が検出困難な場合に有用な特異的代謝物を発見し、3) 代謝物も得られない場合は、マルチオミクス手法を駆使し自然毒中毒における特異的なマーカーを検索する。4) 最終的には、これら代謝物及び代謝マーカーをマルチマーカーとして、自然毒中毒の迅速・特異的診断法の開発を目指すことである。 本年度は、引き続いて安定同位体標識自然毒の標準品の作成を行っている。予備的な実験では、安定同位体の生体試料中での挙動が不安定であるため、現在条件検討を引き続き行っている。 一方、多彩な自然毒を簡便に生成することを目指して、自動前処理装置ATLAS-LEXT及びhigh-end LC-MS/MSを用いた植物由来自然毒のスクリーニング法の開発も試みた。スイセン類、バイケイソウ類、トリカブト類、ジャガイモ、イヌサフラン等に含有する毒成分21化合物を標準血清に添加し、試料 0.5 mlを用いてATLAS-LEXTによる自動前処理を行った。この前処理を行うことにより、一検体当たり、30分未満で処理が完了し、5成分以外は添加濃度1 ng/mlで検出可能であった。抽出溶媒として、0.1 %ギ酸含有メタノール、0.1 %ギ酸含有アセトニトリル、0.1 %ギ酸含有2-プロパノールで比較したところ、0.1 %ギ酸含有メタノールにおいて、抽出効率が最も優れており、再現性も良好であった。現在、自然毒投与マウスの血清中自然毒を測定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然毒の定量に適した重水素標識自然毒の合成は現在進行中であるものの、体液中自然毒の迅速な全自動抽出法及び定量法の構築はほぼ完成しており、現在投与実験を行っているところであり、計画全体としては、おおむね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、生体試料内でも安定な重水素標識自然毒について、合成可能な化合物の洗い出しを再度行い、定量に適した標識自然毒の合成を継続する。現在行っている全自動前処理法を継続して、簡便で多試料が処理できる方法の確立を目指す。
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Research Products
(12 results)