2018 Fiscal Year Annual Research Report
Nationwide survey of moral sensitivity and development of nursing educational program to foster the moral sensitivity of students
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18H03074
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 勝正 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60194156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尋 道子 佐久大学, 看護学部, 教授 (10326100)
大熊 美世志 中部大学, 看護実習センター, 助教 (20736269)
夏目 美貴子 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (60434578)
山田 聡子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (80285238)
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 道徳的感受性 / 看護学生 / 看護教育 / 倫理的問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護学生の道徳的感受性の実態と臨床現場における看護倫理上の問題の実情を把握するために、以下の2件の調査研究を実施した。 1)無作為サンプリングした全国の80の看護系大学に調査を依頼し、協力の得られた16大学の3,034名の学生(1-4年生)を対象に質問紙調査を行った。調査内容は、(1)先行文献から抽出された30の看護倫理上の問題事例、(2)学年、経験した臨地実習の種類などの属性、および、(3)道徳的感受性尺度学生版(MSQNST第1版;滝沢ら, 2015)で構成した。回答状況が思わしくなかったために、協力を促す文書を再送したが、回答は266件(回収率8.7%)にとどまった。結果の一つとして、臨床場面で遭遇する倫理的問題の中で病棟のルールや患者の置かれた環境に関する問題について、その倫理的問題としての重要性を3年次でもっとも高く認識していたことが示された。道徳的感受性のスコアについては、逆に3年次がもっと低かったが、その後、4年次に進み臨地実習を経験することで高くなる傾向が示された。現在、詳細な解析を進めているところである。 2)全国の660施設の病院の看護師長を対象とする質問紙調査を行った。137病院の協力が得られ、1,330部の調査票を配布した。調査内容は、(1)先行文献から抽出したスタッフ看護師の経験する道徳的苦悩をもとに構成した組織的支援に関する質問紙(大切さと実施頻度を質問)、(2)対象者の基本属性、および、(3)福井らが開発した組織風土尺度である。752部の回答が得られた(回収率56.9%)。大切さ22項目は4つの因子に分類され、小規模病院の方が第2因子の倫理的体制作りをより重要と考え、大規模病院は研修会やコンサルテーションをより実施している様子が示された。現在、これらの結果をもとに、看護教育で取り上げるべき倫理的問題事例の絞り込みとシナリオ作りを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初2019年度に予定していた看護学生の道徳的感受性に関する全国調査について、倫理的問題の認識に関する調査と併せて前倒しで行うことができた。現在、回答の回収を終え解析中である。また、看護師長を対象とする病院における看護倫理上の問題に関する調査については、すでに結果の回収と解析を終え、2019年度にその成果を国際ケア倫理学会(英国)で発表予定である。その他、2019年度の計画のための準備も概ね予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
看護学生を対象とした全国調査の解析を進め、学生の道徳的感受性や倫理的感受性に影響する要因について検討する。それらの調査結果および文献検討の結果をもとに、看護学生を対象とする模擬授業を行い、学生の道徳的感受性と倫理的感受性を高めるための教育内容、教育方法について検討する。
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Research Products
(3 results)