2019 Fiscal Year Annual Research Report
重度・慢性精神障害者のセルフケア能力の評価方法と看護介入モデルの開発
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18H03085
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
中山 洋子 高知県立大学, 看護学部, 研究員 (60180444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 郁子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (00457805)
大川 貴子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (20254485)
井上 さや子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (30758967)
宇佐美 しおり 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (50295755)
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
塩見 理香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (70758987)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セルフケア / 重度・慢性精神障害者 / セルフケア能力の評価 / 看護介入モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度に引き続き、承諾を得られた精神科病院においてグループ・インタビューを実施した。2つの病院で実施予定であったが、台風19号の影響で1か所は実施できなかった。今年度のグループ・インタビューでは、困難事例を中心に語ってもらい、激しい幻覚妄想が続いていたり、知的障害もあるために対人関係が困難な事例等、3事例が語られた。グループ・インタビューの結果から、精神科病棟の看護師が捉えている重度・慢性精神障害者は、長期入院となっている精神障害者であること、知的障害や長期にわたる抗精神病薬の服用、精神症状の慢性化やホスピタリズムの問題等から、コミュニケーションや対人関係に問題があることが明らかになった。 また、重度・慢性精神障害者についての実践報告の分析を行うために、「精神障害」「長期入院」「看護」をキーワードに医中誌Webで検索すると1452件が抽出された。その中で、抄録に患者の状態像が記載されていた90件の文献を取り上げ、分析した。その結果、看護師が長期入院患者の特徴的な状態像としてあげている項目は、「重度かつ慢性」の基準の内容に含まれるものであった。セルフケア能力に関係する項目としては、「自発性や自己決定能力の低下」、「コミュニケーション能力の問題」が記載されており、グループ・インタビューの中で語られている問題と一致していた。 これらの結果を基に、重度・慢性精神障害者のためのセルフケア・アセスメント・ツールの作成に加え、コミュニケーション・対人関係能力を評価する評価表、重度・慢性精神障害者と判断する評価方法を検討し、臨床側の研究協力者と実行可能性について話し合った。研究協力体制が整った5つの病院において介入研究を実施する準備を進めてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大のために、病院に出向いて具体的な打ち合わせができず、介入研究の実施には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
台風19号による東北地方の豪雨災害により、福島県の研究協力病院が影響を受け、病院機能に障害が出てしまったことや、2020年2月末より、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために外部者が病院を訪問することができなくなり、本年度計画していた事例検討や介入研究の打ち合わせ、実施ができなくなった。また、研究を進めていく上で欠かせない研究者と臨床側の研究協力者との合同の研究会議ができなくなり、研究が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の後半から開始予定の介入研究は、研究倫理審査の承認も得ており、研究協力病院の準備も整っているので、新型コロナウイルスの感染拡大の問題が落ち着き、病院側の承諾と受け入れ体制(準備)が整えば、開始できると考えている。介入研究の開始は、新型コロナウイルスの収束状況によるが、2020年9月頃からは実施できるのではないかと予測している。
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